静岡新聞NEWS

「生」問う遺作、輝き放つ 三島の作家、故小坂流加さん

(2019/2/18 07:25)
小坂流加さんの新作「生きてさえいれば」の特設コーナーを展開するマルサン書店=沼津市大手町
小坂流加さんの新作「生きてさえいれば」の特設コーナーを展開するマルサン書店=沼津市大手町

 発行部数30万部を記録し2017年に静岡書店大賞の「映像化したい文庫部門」大賞に選ばれた「余命10年」の著者で、同年2月に病死した小坂流加(るか)さん(享年39)=三島市=の遺作となる新作「生きてさえいれば」(文芸社)が昨年12月の発売以降、売れ行きを伸ばしている。1作目と同様、病魔と闘う女性が主人公の作品は、余命宣告後も小説を書き続けた著者の姿が重なる。生きることの意味を問い掛ける内容が読者の反響を呼んでいる。
 新作は小坂さんが原発性肺高血圧症で亡くなった約半年後に、愛用のパソコンに残されていたのを家族が発見した。1作目を出版した文芸社が家族から原稿を託され、昨年12月13日に発売した。
 物語は重病を患う叔母が大切に手元に置く手紙を発見したおいが、叔母に代わって「思い人」に手紙を届ける場面から始まる。届け先で叔母の過去や心の傷を知り、いじめを苦に自殺を考えていたおいが生きる意味を見つめ直し成長する様を描く。
 沼津など県東部に4店を展開するマルサン書店は「余命10年」と併せた特設売り場を作った。小川誠一店売部長は「部数は順調に推移し、衰える気配はない」と説明する。
 発売から2カ月で、発行部数は現在10万部。同社広報部の伊藤伸さんは「静岡での割合が他県より突出して高い。静岡書店大賞受賞作家への期待が数字に現れているのでは」と分析する。
 表紙の絵を描く作家は、読者の好みを熟知する書店員の意見を基に、人気イラストレーターの白身魚さん=京都府在住=に依頼した。新作を読んだ読者からは「今後辛いことがあっても、この作品を思い出して乗り越えたい」などの感想が寄せられているという。
 「生きてさえいれば」は352ページ、670円。

静岡芸能・文化の記事一覧

ニュースアクセスランキング

  • 読み込み中です・・・
静岡新聞データベース

SBSテレビチャンネル

YouTube
こどもみらいプロジェクト「おやこアットエス」
静岡新聞SBSスクープ投稿
静岡新聞モバイルサイト