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狩野川台風テーマに劇 被害から60年、伊豆市で地元団員ら企画

(2018/8/29 08:22)
狩野川台風の恐ろしさを感じてもらおうと、9月の公演に向けて稽古に励む主役の児島姫乃さん(右端)ら出演者=8月中旬、伊豆の国市内
狩野川台風の恐ろしさを感じてもらおうと、9月の公演に向けて稽古に励む主役の児島姫乃さん(右端)ら出演者=8月中旬、伊豆の国市内

 伊豆半島に死者・行方不明者900人以上という未曽有の被害をもたらした狩野川台風から9月26日、60年の節目を迎える。被害が大きかった旧修善寺町のある伊豆市では、9月に同台風を題材にした劇の公演が企画されている。出演者は災害の恐ろしさや生きることの尊さを感じる機会にしてもらおうと、本番に向けて稽古に励んでいる。
 出演者は、伊豆の国市を中心に活動する「劇団DAN」の団員を主体に公募で集まった伊豆市の小中学生9人や他の劇団員などを加えた計45人。上演する「狩野川台風」は住民の約3割にあたる289人が死亡した旧修善寺町の熊坂地区が舞台。3世代10人で暮らしていた中学2年生の智子が、自分以外の家族全員を台風による川の氾濫で失いながらも、懸命に生きていく物語を描いた。智子の娘が小学校教諭として児童を引率して熊坂地区を訪れ、智子の語りを聞かせる、という現在の話とともに展開する。
 主役の智子を演じるのは、公募で参加した伊豆市立修善寺中2年の児島姫乃さん。狩野川台風については昨年、学校で体験者から話を聞く機会があったが、6月から演者として稽古を重ね「恐ろしさをより深く感じるようになった」という。「狩野川台風がどのような災害だったのかを改めて知ってもらう機会にし、語り継いでいくきっかけになれば」と意気込む。
 作品は劇団DANの松井清高代表(63)が台風の被害を記録した資料を読み、2004年に創作。これまでに計6回上演し、内容も少しずつ変えながら記憶をつなぐ役割を担ってきた。7月には平成最悪の犠牲者を出した西日本豪雨が発生。松井代表は「この地にあった出来事を劇を通じて見つめることでもう一度災害への意識を高めてもらえたら」と願う。

 ■9月22、23日公演
 伊豆市狩野川台風60年公演実行委員会と伊豆市は9月22、23の両日、公演「狩野川台風」を同市の修善寺総合会館で行う。22日は午後6時半、23日は午後1時半開演で、上演は約2時間。チケット700円(前売り500円)。当日は伊豆箱根鉄道修善寺駅と伊豆市役所本庁から無料シャトルバスを運行する。問い合わせは実行委事務局の市防災安全課<電0558(72)9867>へ。

 <メモ>狩野川台風 グアム島近海で発生した大型の台風22号は1958年9月26日夜、伊豆半島南端をかすめるようにして通過。狩野川上流の旧建設省所管の湯ケ島観測所では1日雨量728ミリを記録し狩野川流域で堤防の決壊や橋の倒壊が発生。激流が家屋をのみ込み、流域では全壊・流失958戸、半壊647戸、床上浸水3012戸という甚大な被害が出た。

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