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「教科書で読んだ井上靖」一冊に 長泉の文学館発刊

(2017/8/23 17:40)
教科書に掲載された井上靖の作品を集めた単行本
教科書に掲載された井上靖の作品を集めた単行本

 長泉町の井上靖文学館は9月5日、静岡県東部ゆかりの文豪井上靖(1907~91年)が書いた詩や小説、随筆から国語教科書に採録された作品を集めた単行本「教科書で読んだ井上靖」を発刊する。生誕110年記念事業の一環。
 井上靖の教科書掲載作をまとめた書籍は初めて。1960年から2016年までに掲載された45作から、全文収録できる22作を選んだ。「氷壁」「あすなろ物語」「夏草冬濤」など代表作や、手に入れやすい文庫本の収録作は除外し、できる限り“知られざる名作”に光を当てようと努めた。
 収録作のうち、1984年の国際ペン東京大会で日本ペンクラブ会長として講演した記録「人間の叡知を」、高校生の文章を添削した62年の随筆「文章を作ってみて」は全集にも入っていない貴重な作品。編集を担当した同館の徳山加陽学芸員は特に後者について「正確な文章の手本として、自身と師弟関係がない志賀直哉を挙げるなど、興味深い点が多い」と話す。
 井上靖作品は2000年代半ば以降、教科書掲載が途絶えていたが、15年に小学校用で詩「出発」が、16年には中学校用で小説「利休の死」「孔子」が復活した。企画執筆者の勝呂奏桜美林大教授は「教科書で井上文学に出合った人は意外に多い」と指摘し、単行本発刊の意図について「作品を読み継ぎ、その魅力を伝える人を増やしたい」と語った。
 事業協力した伊豆市の小中高校の児童生徒らに配布するほか、県内の主要書店で販売する。1部1080円。9月21日から、同館で単行本と連動した企画展を開催する。

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