静岡新聞NEWS

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • mixiチェック

<直木賞・恩田陸さんインタビュー>浜松ピアノコンに誇りを

(2017/2/11 08:00)
「いつか続編を書いてみたい」と語る恩田陸さん=10日午後、都内
「いつか続編を書いてみたい」と語る恩田陸さん=10日午後、都内

 浜松国際ピアノコンクールをモデルにした音楽小説「蜜蜂と遠雷」で直木賞を受賞した作家恩田陸さん(52)が10日、静岡新聞社の取材に応じた。1992年のデビュー以来「一番苦しんだ作品」と12年に及んだ創作過程を振り返るとともに、「地元のピアノコンクールに誇りを持ってほしい」などと県民への思いを語った。

 ―なぜ浜松をモデルに選んだのか。
 「学生時代にピアノを弾いていたこともあり、以前から音楽小説を書きたいと考えていた。そんな時、浜松で入賞した少年がその後に世界最高峰のショパンコンクール(2005年)で優勝したと耳にした。100人近くが出場し、3次までの予選を経て、本選に残るのは6人だけ。残酷だけど、ドラマとして面白くなると感じた」

 ―浜松で、どのように取材をしたのか。
 「3年ごとのコンクールに4回行き、予選から聴いた。熱心な一観客として会場でひたすら聴いていた。関係者に話は一切聞いていない。演奏を見て、どう感じたかをメモした。浜松が東京から近くて良かった。毎回必ず繁華街でうなぎを食べた。作品上は架空の地方都市だけど、『うなぎが食べたい』『企業城下町』など、無意識のうちに人物の言葉や情景に反映された」

 ―演奏についての多彩な文章描写が作品の特徴。その点をかなり工夫したようだが。
 「10代、20代の主人公4人にコンクールでどんな曲を弾かせるのか。プログラムを考えるのが大変で、書き始めるまで2、3年かかった。さらに演奏を描写するボキャブラリーをひねり出すのに本当に苦労した。何十曲もCDを聴いて書くのだけれど、曲数は増えるし、審査が進むに連れて曲も長くなるので、それに見合う表現が思い付かずに悩んだ」

 ―静岡県民、読者に伝えたいことは。
 「素晴らしいコンクールが身近にあることを誇りに、幸せに感じてほしい。ぜひ一度聴きに行ってほしい。『蜜蜂と遠雷』は満足度としては書き切ったと言える作品。今すぐは無理だけど、いつか続編を書いてみたい」

静岡芸能・文化の記事一覧

ロード中 関連記事を取得中...

ニュースアクセスランキング

  • 読み込み中です・・・
静岡新聞データベース

SBSテレビチャンネル

YouTube
こどもみらいプロジェクト「おやこアットエス」
静岡新聞SBSスクープ投稿
静岡新聞モバイルサイト