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2018年9月9日【大自在】

(2018/9/9 07:38)

 高度経済成長から安定の時代へ日本がまだまだ元気だった頃、映画も元気だった。そんな思いがある。寡黙のヒーロー高倉健さんの任侠[にんきょう]ものや、菅原文太さんらの実録路線にどっぷりはまった
 ▼日々の仕事に追われる中でつかの間、憧れの存在に拍手を送ったサラリーマンは少なくないだろう。一方で、殺伐とした社会にあって“下町のぬくもり”に大事なものを思い出した人もいよう。渥美清さん主演の「男はつらいよ」シリーズである
 ▼1969年の第1作から48作まで続き、1人の俳優が演じた最も長い映画シリーズとしてギネス世界記録にも認定されたそうだ。主人公、フーテンの寅こと車寅次郎が足の向くまま各地を旅しながら笑いを巻き起こす
 ▼毎度登場するマドンナとの恋を、実らないと知りつつやきもきし、柴又の人々とのドタバタ劇に濃密な人間関係の豊かさを知る。監督の山田洋次さんは映画の中で、寅さんに珍しく高級なことを言わせたシーンがある。「人生では何度か、生きててよかったと思う瞬間がある。そのために人間は生きてるんじゃねえか」と
 ▼山田さんは以前、本紙で語っている。「そういう瞬間は誰にでもあるはずで、それをたくさん胸に抱いた人が幸せなんだと思う」。その「男はつらいよ」シリーズを山田さんが監督として22年ぶりに製作することになった
 ▼主演は何と草葉の陰の渥美さん。過去の映像を使いながら構成するという。幸せや生き方がテーマになりそうで今度は寅さんが何と言うか。公開は第1作から50周年を迎える来年を予定。楽しみだ。

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