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2018年9月6日【大自在】

(2018/9/6 07:30)

 国民の多くが仏教徒のミャンマーが「アジアの秘境」から開かれた国へと大きくかじを切ったのは“母なるスー・チー”の存在が大きい。軍事政権下で長期の拘束・軟禁に耐え、復活したアウン・サン・スー・チーさんのことである
 ▼ノーベル平和賞の授賞式に約21年を経て出席した時「究極的に目指すべきは、どこで暮らす人々も自由や平和を享受できる世界をつくりあげることだ」と訴えた受賞演説はよく知られる。本欄でも以前取り上げた
 ▼スー・チーさんが国家顧問兼外相として政権トップを務める、そのミャンマーの雲行きが怪しい。ミャンマーの裁判所が国家機密法違反の罪で起訴されたロイター通信のミャンマー人記者2被告に禁錮7年の判決を言い渡した
 ▼2人はイスラム教徒の少数民族ロヒンギャに関する極秘資料を警察から不法に入手したとして逮捕された。2人は昨年9月、国軍兵士らが起こしたロヒンギャ10人の殺害事件を取材中だった。事件は残酷な組織的な迫害の実例として世界に知られた
 ▼裁判に証人として出廷した警察官は、記者の逮捕を「警察が仕組んだわなだった」と証言。報道の自由への露骨な弾圧と欧米など国際社会が受け止めたのは当然だったろう。ロヒンギャの迫害は隣国への大量難民となって今も進行中だ
 ▼国軍が強大な権力を維持している中では民主化の旗手も力を発揮するのは難しいのかもしれない。欧州にはスー・チーさんの名誉市民称号の剥奪を決めた都市もあるそうだが、ここは高らかにうたった、あの受賞演説の実現を待ち望みたい。

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