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2018年6月6日【大自在】

(2018/6/6 07:41)

 子どもの頃、夏が近づくと落ち着かない気分になった。そわそわの原因はカブトムシとクワガタムシ。夏休みともなれば早朝から河原のやぶに繰り出し、ヤナギのうろを小枝でつついてクワガタをおびき出そうとしたものだ
 ▼そんな少年時代がよみがえる一冊に出合った。磐田市竜洋昆虫自然観察公園の20周年記念企画で発行された「みんなの昆虫学校」。職員の「こんちゅうクン」こと北野伸雄さん(32)が執筆した
 ▼本を読み、カブトムシやクワガタムシに夢中だったと自任しながら知らないでいたことに、いまさらながら驚かされた。第一にカブトムシは「おしっこをするとき片あしを上げる」。プラスチック製の水槽で飼うカブトムシを飽きず眺めたはずなのに、気付かなかった
 ▼ミヤマクワガタの名の由来に、海の近くに住む少年がいくら探しても見つからなかった理由が分かった。ミヤマは「深山」。答えは至って単純だった
 ▼本を求めに訪ねた日曜日の公園は親子連れで大にぎわい。少子化、都市化、デジタル化が進み、子どもの遊びも様変わりしたはずだが、昆虫が主人公の公園にはなお童心を引き付ける魅力があるようだ
 ▼地球から昆虫が減っているという。ただ、北野さんは「人が虫を見ようとしなくなった」とも指摘する。そもそも「見ない」から減ったように感じる面もあるということか。見る目を持てば出合える命の存在を、うまく伝えたいと北野さんは願う。名前も暮らしぶりもさまざまな虫たちは、身近な世界が実は豊かな物語に満ちていると教えてくれる。

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