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2018年6月4日【大自在】

(2018/6/4 07:39)

 携帯電話の普及率は今や100%を超え、家族全員が1台ずつ持つ家も珍しくない。ところで家族の携帯電話番号を覚えているだろうか。いつも端末の登録機能を使い、頻繁にかけていても番号は記憶にない人もいるのではないか
 ▼津波で流され、幸い一命を取り留めたものの、携帯電話は水没して使えなくなった。家族の番号は覚えていなかったが、財布に番号を書いたメモを入れていて、回線が復旧した数日後に公衆電話から連絡できた。「もしメモがなければ、母親の安否が分かるのはもう何日か先になっていたはずです」
 ▼きのうまで静岡市で開かれた静岡新聞社と河北新報社(本社仙台市)による防災ワークショップ「むすび塾」。初日の「被災体験を聞く会」で、東日本大震災で被災した宮城県の語り部が披露した体験談だ
 ▼自分の身を何とか守った被災直後。最大の関心事は家族の安否に違いない。確かめるすべがなければ、ただでさえ不安な気持ちにどれだけ拍車が掛かるだろう
 ▼安全な場所への避難、水や食事、寝る場所の確保、職場への連絡-。目の前に山積する「すべきこと」に、家族の居場所確認が加わることにもなる。逆に無事がすぐ確認できれば、近隣での救出・救助の「共助」に没頭することも可能だろう
 ▼強い結びつきを誇る家族でも、つなぐ手段を失えば災害現場で「孤立した個」にならざるを得ない。災害用伝言ダイヤルの活用なども含め、いざというときの絆の結び直し方を日頃から話し合っておくことが大切だ。被災者の訴えに、改めて学ばせてもらった。

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