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2018年6月3日【大自在】

(2018/6/3 07:20)

 こだわる。「本質ではない、さまつな事柄を必要以上に気に掛ける」が本来の意味。褒め言葉には使えないはずだが、最近は「一流選手のこだわり」などと細部にも神経を使う姿勢や粘り強さを評価する言葉としての使用例も見掛ける
 ▼否定的な語感の言葉が肯定的にも使われるようになった例には「はまる」もある。もとは「わなにはまる」など窮地に陥った状況によく使われた。今は熱中する様子を表現した「ドラマにはまる」「外国語の勉強にはまる」といった使い方も一般的だ
 ▼否定の意味合いを強めた用法もあると知った。悪質な反則問題で指導陣が競技連盟から除名などの処分を受けた日本大アメリカンフットボール部。監督から理不尽な重圧をかけられる指導の犠牲になることを、選手の間で「はまる」と呼んで恐れていたという
 ▼力関係の差に乗じた卑劣な行為を巡っては最近「はめられた」という言葉も聞いた。こちらは明らかに「誤用」と思われるが、発言者の意識は違うらしい。部下のセクハラ問題で口にした麻生太郎財務相である
 ▼セクハラ問題と並び幹部辞任の要因となった森友学園の決裁文書問題では、「改ざん」と「書き換え」について世間の感覚とずれた独自の定義を披露した。野党の批判を受け謝罪したが、問題の深刻さへの認識を疑われた
 ▼そんな大臣の指揮下で首相が言う「うみ」を出し「再発防止に全力を挙げてもらう」ことが可能か。疑問に思う国民は少なくない。前代未聞の不祥事を重ねた組織の長の責任と進退を問う。それは「こだわり」だろうか。

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