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2017年11月6日【大自在】

(2017/11/6 07:25)

 ▼孫悟空が活躍する「西遊記」の三蔵法師のモデル、中国の僧、玄奘[げんじょう]はインドに旅し、多数の仏教経典を唐に持ち帰った。後に日本にも伝わる玄奘漢訳の経典のうち、最も広く知られているのが「般若心経」だろう
 ▼悟りの神髄をまとめたという経文は漢字300字足らず。そらんじられる人も珍しくない。1年ほど前には意外な場所でも耳にした。衆院の委員会である
 ▼「質問時間が余った」。そう言うとある与党議員は延々と「私見」を述べ、般若心経の一部を唱えた。今、議事録を読み返しても、発言の趣旨はよく分からない。少なくとも審議の対象であり、数多くの問題点が指摘されていた「カジノ法案」の理解を深める発言にならなかったことは確かだ
 ▼特別国会での質問時間配分を巡り、与野党が対立している。自民党が総選挙での勝利を受け、野党に手厚い慣例を見直し、議席数に応じて与党の時間を増やすよう求めたのがきっかけ。先の通常国会の衆院予算委員会は「野党8・与党2」の配分だったが、議席数に比例させると「野党3・与党7」に逆転する
 ▼理屈の通った要求にも思えるが、唐突感は否めない。自民党が野党だった時代も与野党合意で慣例を続けてきた。政府提出法案について、与党には国会に出す前に審査し、問題点を指摘できる機会もある
 ▼有権者の関心は時間の長短以上に使い方の中身にあろう。与党の質問時間増は国会審議の形骸化につながる。野党からはそんな批判も出ている。過去の国会論戦に照らし、杞憂[きゆう]だと言い切る自信が与党におありだろうか。

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