静岡新聞NEWS

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • mixiチェック

2017年10月7日【大自在】

(2017/10/7 07:40)

 ▼今年は核廃絶を夢見て努力を重ねてきた「ヒバクシャ」らの願いが大きく一歩前に進んだ。核兵器を「絶対悪」と断じて、非合法化する史上初の核兵器禁止条約が発効に向けて動きだした記念の年といえよう
 ▼条約は今年7月、国連で採択され、各国が国内手続きを経て批准した国が50カ国に達した日から90日後に発効する。常に被爆者に寄り添ってきた国際非政府組織の「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」に今年のノーベル平和賞授与が決まった
 ▼広島や長崎から届く核廃絶を求める叫びが受賞の原動力になったことは間違いないだろう。地道な活動に心より敬意を表したい。その陰に多くの先人の存在があったことを思う。9月、国連本部で、条約に賛同する国々の署名を見守る2人の遺影があった
 ▼「この場面、見せてあげたかった」。傍聴席でそんな声が聞こえてきたという。日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の谷口稜曄[すみてる]代表委員と、土山秀夫・元長崎大学長で、8月から9月初めにかけて亡くなった
 ▼谷口さんは長崎原爆の熱線で焼けただれた体を撮影した「赤い背中の少年」の被写体として知られた。長崎の反核平和運動で理論的支柱の役割を果たした土山さんとともに反核運動のよりどころになった
 ▼広島市出身で被爆体験を英語で語り続けるカナダ在住のサーロー節子さんの活動も印象深い。ただ、核保有国の米ロや米国の「核の傘」に頼る日本は条約には不参加である。北朝鮮の核の脅威も現実味を帯びる。平和賞授与を、核の非人道性を改めて考える機会としたい。

大自在の記事一覧

ロード中 関連記事を取得中...

ニュースアクセスランキング

  • 読み込み中です・・・
静岡新聞データベース

SBSテレビチャンネル

YouTube
こどもみらいプロジェクト「おやこアットエス」
静岡新聞SBSスクープ投稿
静岡新聞モバイルサイト