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2017年9月28日【大自在】

(2017/9/28 07:16)

 ▼「息子は50歳すぎて、しっかりひきこもっていますよ」。高校入学前後から始まった不登校。解決の道を求めて医療機関や行政窓口を尋ね回ったが状況は悪化の一途。暴言、暴力に募る無力感。はき出した思いは大学ノート12冊にびっしり残る。「でも親子二人、生きていることが一番大切」
 ▼KHJ全国ひきこもり家族会連合会の県支部「いっぷく会」が先月、静岡市内で開いた学習会。講師に招かれたのは埼玉県内の主婦81歳。「ひきこもり」という言葉もなかった時代から向き合い続けた“先達”の体験談に共感が広がった
 ▼近年、ひきこもりの長期化・高年齢化は顕著になっている。内閣府が昨年9月、サンプル調査を基に推計した15~39歳のひきこもりは全国で約54万人。期間は7年以上が35%と最多だった。関係者は、対象に含まれなかった40歳以上について特に危機感を強める
 ▼先日報じられた共同通信のアンケートによると独自の実態把握には本県など21府県が乗り出しているにすぎず、対応は後手に回りがち。家族会連合会が昨年から進めている調査の結果も踏まえ、支援策を探ることが急務だろう
 ▼冒頭に触れた主婦は長い葛藤の日々を経て今、息子との関係も落ち着き少しずつ心にゆとりが生まれてきたという。ただ、頭を離れないのは「親なき後」のこと
 ▼「母さんに何かあっても生きていけるよ」。最近、そんな頼もしい言葉を聞けるようにもなった。しかし、いつまで健康でいられるか…。尽きない不安には、社会全体で応えていかなくてはならないと思う。

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