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2017年9月27日【大自在】

(2017/9/27 07:46)

 ▼おととい、安倍晋三首相が臨時国会冒頭の衆院解散を表明し、与野党は選挙に向け本格的に始動した。注目された東京都の小池百合子知事は自ら国政新党を立ち上げて代表に就任。新党名は「希望の党」。都政の重責を担いつつ、党の先頭にも立つのだという
 ▼「日本にはさまざまなものがあふれているけれども希望がちょっと足りないのではないか」。そう命名の理由を語った小池氏の会見を聞き、バブル崩壊後の日本を舞台にした村上龍さんの小説「希望の国のエクソダス」に、似たフレーズがあったことを思い出した
 ▼エクソダスとは、旧約聖書にあるイスラエル人のエジプト脱出を意味する。物語は、閉塞[へいそく]社会に絶望し不登校になった数十万人もの中学生がITや金融ビジネスで稼ぎ、北海道に広大な土地を買って集団移住。言わば反乱を起こす姿を描く
 ▼国会に参考人として呼ばれた中学生リーダーがモニター映像で登場する場面。居並ぶ議員に発したせりふが次のくだりだ。<この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。だが、希望だけがない>。続けて政治家の生き方や姿勢を問いただす-
 ▼「希望が足りないから、明日への希望をもっと持ちたい」と新党を語る政治家と、「希望だけがない」と開き直って変革に立ち上がる中学生。とっぴな小説と比較するナンセンスを承知で言えば、迫力の差は歴然ではないか
 ▼失われた希望をどう再生するか。小池氏の言う、しがらみや打算を断った「真の改革勢力」を目指すためには、なまなかの覚悟では臨めないはずだ。

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