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2017年4月21日【大自在】

(2017/4/21 07:40)

 ▼ずっと以前、天竜美林で知られる北遠の山中に入ったことがある。手入れの行き届いた森の緑は下草まで降り注ぐ日の光に、より鮮やかさを増し、体の中を心地よく染めていくような感じさえした
 ▼伐採後、植林した区画には若木がすくすく育っていた。林業家は半世紀を超える単位で伐採と植林を繰り返していく。その若木も今は立派な杉、ヒノキに成長しているだろう。そう思いたいが、いささか心配になる。そんな声を聞いた
 ▼シカやカモシカによる食害が日常化し、「半ば、諦めの境地」と、知り合いの林業家は言った。かつてシカなどの出没には敏感だったが、今はごくありふれた風景になってしまったという。「いるよ、いるねえ」。知り合いの淡々とした口ぶりにかえって深刻さがのぞく
 ▼そういえば、身の回りにも“野生”が近づいているようだ。先日夕方、自宅近くを散歩中、目撃したのは何とカモシカだった。里山に近いとはいえ、県道沿いに住宅が並ぶ人里だ。某工場所有のグラウンドの土手で草を食べていたが、気付いたのか、しばしこちらを凝視した
 ▼実家からは裏の竹林から採れたタケノコとともに、イノシシ出没の情報を聞いた。竹林に沿って茶畑が広がる。子どもの頃はきちんと手入れされ、イノシシなど見たこともなかったが、荒れたらどうなるか。全国の里山で起きている現象を実感した
 ▼急増するシカに県も対策の強化に乗り出すようだ。狩猟期間を延長し、雄ジカの捕獲も推進するという。農林業の被害防止などは待ったなしだ。シカと頼みたい。

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