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診察室

診察室「バクロフェン療法とは」(2019/11/17 13:19)
聖隷浜松病院せぼね骨腫瘍科医長 野坂潮
聖隷浜松病院せぼね骨腫瘍科医長 野坂潮

59歳女性。足が悪く体が揺れて前のめりで歩きます。ボトックス(ボツリヌス)療法をやりましたが、効果がなくなり、バクロフェン投与の必要があると言われました。どんな症状の人がやる治療でしょうか。つえ無しで歩けますか。副作用や日常生活での支障はありますか。

 ■脊髄周囲に薬を送り痙縮
 【答】はっきりとした病名がないため一般的な回答となりますが、脳卒中や生まれつきの脳の障害、けがなどにより脳や脊髄が障害されて痙縮[けいしゅく]と呼ばれる症状が出ることがあります。痙縮とは自らの意志とは関係なく筋肉が収縮して、体が突っ張ってうまくコントロールできない状態のことです。歩行や着替えが行えなかったり、食事が思うようにできなかったりするなどの症状が出ます。

 痙縮治療の一つであるバクロフェン髄注療法では、手術で体にポンプを植え込み、カテーテルを介して脊髄周囲に常にバクロフェンという薬を送り続けることによって痙縮を弱めます。薬の注入量を調整することによって痙縮の程度を調整できるメリットがある一方、効き過ぎると筋力低下が生じるデメリットもあります。

 この治療を行っても、体を大きくねじる動作を控えれば適度な運動やリハビリを行うことができます。筋力や痙縮の程度にもよりますが、歩行に補助具が不要となる場合もあります。ただし、頭痛や傾眠、発熱といった薬剤の副作用のほか、病院での定期的な薬剤の補充やポンプの交換が必須となるなどの注意点があります。(聖隷浜松病院せぼね骨腫瘍科医長 野坂潮)

 ※静岡新聞2019年10月29日付夕刊掲載


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