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診察室

診察室「歯の付け根がへこみ、しみる」(2019/11/17 12:57)
静岡県歯科医師会生涯研修部員 阿武野貴弘
静岡県歯科医師会生涯研修部員 阿武野貴弘

56歳女性。最近歯磨きをしたり、冷たい物を飲んだりすると歯がしみます。鏡を見ると前歯、奥歯の付け根がへこんでいるのに気づきました。歯磨きは毎日しっかりやっているのに原因がわかりません。むし歯でしょうか。

 ■適正な力で歯磨きを 欠損部分は修復可能
 【答】それは楔[くさび]状欠損の可能性が考えられます。楔状欠損とは、前歯、奥歯ともに見られる摩耗症の一種であり、基本的にはむし歯を伴わない欠損です。付け根のところに欠損が生じると、歯の象牙質が露出し、歯磨き時に痛みを感じたり、冷たい物を飲んだ時にしみたりする可能性があります。

 原因は二つ考えられ、一つ目は研磨剤入りの歯磨き剤を使用して強い力で歯磨きをすることです。力が入りすぎると歯の表面のエナメル質がすり減ってしまい、欠損を生じます。歯頚[けい]部(歯と歯茎の境目)はエナメル質が薄く摩耗しやすいため症状が出やすいです。

 二つ目は、歯ぎしりや食いしばりです。強い力が歯に加わると歯頚部に力が集中し、歯質に欠損が生じます。歯周病で歯根が外に出てしまった場合、根の表面にはエナメル質は無くセメント質で覆われていますが、セメント質はエナメル質より柔らかいため、楔状欠損を生じるリスクが高まります。

 予防法としてはまず適正な力、時間で歯磨きを行うことです。正しい歯磨き方法を歯科医院で教えてもらいましょう。治療は、歯科医院にて欠損部分の修復が可能です。歯ぎしりや食いしばりについてもマウスピースの使用などの方法があります。かかりつけの歯科医院に相談してください。(静岡県歯科医師会生涯研修部員 阿武野貴弘)

 ※静岡新聞2019年9月24日付夕刊掲載


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