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診察室

両手親指付け根が軟骨石灰化(2018/6/25 11:00)
浜松医療センター副院長兼整形外科長 岩瀬敏樹
浜松医療センター副院長兼整形外科長 岩瀬敏樹

92歳の男性。左右両手の親指の付け根と手首が痛み、箸も持てない状態です。近くの整形外科で「軟骨石灰化」といわれました。治療は温熱電気療法を受けて、湿布を貼っていますが、なかなか改善しません。ほかにも良い治療法はありますか。



【答】
■消炎鎮痛剤の内服や注射で治療


 「軟骨石灰化」とは、加齢に伴う関節軟骨の変性が進んで、ピロリン酸カルシウムという物質が結晶となって石灰化し、関節軟骨にたまるようになった様子がエックス線(レントゲン)撮影で確認できる状態と考えられます。70代以降の高齢の方に多く発生します。

 このピロリン酸カルシウム結晶の存在自体は痛みを生じませんが、軟骨自体の変性と関節変形を伴っていることが多く、関節変形などに伴う慢性的な痛みにつながることもあります。もし、この結晶成分が関節内にこぼれ落ちるようなことが起きると、とても強い痛みと関節の腫脹を起こし、偽痛風[ぎつうふう]発作と呼ばれるような急性関節炎症状をきたします。膝などの大きな関節に生じた場合は、発熱などの全身症状も伴うことがあります。

 治療は、消炎鎮痛剤の内服剤や外用剤を使用したり、関節炎の炎症を抑えるような関節内注射を行ったりします。石灰化を取り除くような治療薬はありません。痛みの場所によってはサポーターなどによる保護・支持も有効なことがあります。

 膝関節では関節変形などによる症状が慢性化した場合には人工関節などの手術的治療が検討される場合はありますが、通常は偽痛風自体が手術的治療の対象となることは稀です。




★ この記事を書いた先生 ★
浜松医療センター副院長兼整形外科長 岩瀬敏樹



★ 出典 ★
静岡新聞夕刊「診察室」(2018年6月18日)



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