• mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

診察室

C型肝炎治癒後、再感染の恐れは(2017/4/4 17:00)

40代の男性。18年前に慢性C型肝炎と診断されました。数年前にインターフェロン療法を受けて完治。肝酵素は正常化してウイルス陰性を維持しています。糖尿病で通院中ですが、健診の採血所見でHCV(C型肝炎ウイルス)抗体陽性と毎回診断を受けます。この先もHCV抗体は陽性のままでしょうか。また、一緒に生活する家族に感染することはあるのでしょうか。

【答】

■終生免疫はないが、リスクは低く
 C型肝炎治療の解説2回目は治癒後の再感染の可能性について説明します。C型肝炎の治療成績がここ5年で飛躍的に上がり、もはやHCV(C型肝炎ウイルス)感染症は治る時代に突入しています。では、治癒後に問題となるのはどのようなことでしょうか。

 HCV抗体は治癒後も陽性が持続しますが、年数とともにその抗体量は減少していきます。HCV抗体は体の中にC型肝炎ウイルスが侵入した際にウイルスと戦うために産生される免疫グロブリンで、いわゆる「体側の反応」です。はしかや水ぼうそうなどに一度かかると終生免疫ができますが、血液を調べるとそれぞれのウイルスに対する抗体は終生陽性を持続します。それと同じと考えていただければ分かりやすいと思います。

 ただ、終生免疫があればそのウイルスに二度とかかることはないのですが、HCV抗体にその作用はありません。そのため、麻薬常習者などの感染リスクの高い人が一度治癒した後で再感染を起こして治療を必要とするケースなどは時々経験します。普通の生活を送っている一般の方が再感染するリスクは皆無ですので、一度SVR(HCV排除)となって治癒した方に再びウイルスが体に入ってくることはないと考えてよいでしょう。

 つまり、一度治癒したHCV感染症の患者さんは体内にウイルスはおらず、過去に感染した際の反応のみがHCV抗体陽性として残ります。そのような方はウイルスを持っていないので周りの方に感染させる可能性はないということです。

 では、現在ウイルスを持っている患者さんが周囲の人にうつしてしまうリスクはどれくらいでしょうか。HCVは非常に弱いウイルスで、感染を成立させるには直接体内に入り込む必要があります。このため、感染者の血液や体液などウイルスで汚染されたものが非感染者の傷口などを汚染しない限り、感染は成立しません。

 実際、一般の家庭内で通常の生活をしている限り、夫婦間をはじめとした同居者への感染が成立しないことは数々の報告で証明されています。

★ この記事を書いた先生 ★

静岡赤十字病院 消化器内科部長 北村匡
★ 出典 ★

静岡新聞 夕刊『診察室』 [2017年4月4日]

【 検索 】

C型肝炎 静岡赤十字病院 北村匡

logo_shizushin.png


この他のコンテンツ

おすすめ健康レシピ

焼肉丼

焼肉丼 (作り方)
【協会けんぽ】 「メタボリックシンドローム...

健康・医療 キーワード検索

▲ページトップ