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一見するとフツーのやきそばとなんら変わらないが、一口食べればその違いは歴然。コシが強く噛み応えのある麺に、肉かすやイワシの削り粉の風味が香る独特の味わい。富士宮固有の食文化「富士宮やきそば」に注目した。
 
特徴とは
コシ&味付け
「富士宮やきそば」の特徴は、コシの強い麺と、ラードを絞った後の"肉かす"を加える独特の味付け。戦後の復興期、「洋食やさん」と呼ばれていたやきそば・お好み焼き店が数多くあり、独特のコシのある富士宮やきそばは、当時から市民に親しまれてきた味だった。
麺の製法が違う
麺を蒸した後、もう一度茹でて仕上げる一般的な焼きそばの製造方法と違い、蒸した麺を強制的に冷し、油で表面をコーティング、含まれる水分が少なく、コシの強い噛み応えのある麺に仕上がる。名前も「蒸しめん」で通っている。


12箇条
富士宮流やきそば蒸し麺を使用
炒め油にラードを用いる
隠し味にラードを絞った後の「肉かす」を使用
ふりかけはイワシの「削り粉」
歯ごたえのよい地元産キャベツ
ソースの味に店のこだわりあり
トッピングは、多種多様
添えものは、紅ショウガが多い
富士山のおいしい湧水を用いる
大きくて厚い鉄板で、火力を強くして焼くからおいしい
店が焼く店、客が焼く店あり(初心者は焼いてもらうが良)
皿に盛って出す店、熱い鉄板上から直接食べる店あり


ブレイクの原動力
1999年まで富士宮の名物が「やきそば」だと声高に言うものは皆無だった。2000年を境に世に富士宮やきそば旋風が巻き起こったー。その原動力となったのが市民グループによる「富士宮やきそば学会」。学会発足のきっかけは、市民有志による中心市街地の活性化に取り組むワークショップ。その議論の中で、市内各地に点在する「やきそば」店が話題に上り、他地域にはない富士宮のやきそばの独自性に焦点が絞られた。そこで“富士宮=やきそば”のイメージを全面的にかかげ、富士宮やきそばを呼び水にし、観光客を呼び込もうという戦略が固まった。2000年11月には「富士宮やきそば学会」を発足させ、“食”による街おこしがスタート。学会メンバーは「やきそばG麺」として各やきそば店を訪れ、各店の情報を収集。その情報を元にやきそばマップを作成し、各所に配布した。「天下分け麺の戦い」「ミッション麺ポッシブル」などネーミングの面白さや、やきそば関連の業者が介在しない学会の取り組みに新聞やテレビなどのマスコミがこぞって注目し、次々にメディアで取り上げられ一気に知名度がアップ。学会発足前まで富士宮にやきそばを食べにやってくる観光客は皆無だったが、2006年には月5万人、年間60万人が、県内はもとより近県からやってくるまでになったという。2007年6月2・3日に開催された第2回B級ご当地グルメの祭典「B-1グランプリ」では見事、二連覇を達成した。

富士宮やきそば学会ホームページイエローページ

野望とは
学会会長の渡辺さん
富士宮やきそば
学会会長
渡辺 英彦さん
学会の活動がすっかりライフワークとなってしまったと話す。趣味はギターのコレクションだとか
「ヤ・キ・ソ・バ・イ・ブ・ル(静新新書011)」
静岡新聞社刊840円
富士宮やきそば仕掛人、渡辺英彦氏が説くまちおこし。オヤジギャグの予想を超えたパワーが人を動かす。
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「富士宮やきそば」の知名度を全国区へと押し上げた立役者、「富士宮やきそば学会」の名物会長・渡辺英彦さん。数あるご当地グルメの中でも、富士宮やきそばが突出してブレイクした理由はとの問いに、「まず、(富士宮やきそば学会の)その活動の面白さ」にあると分析する。やきそば関連業者ではない利害関係のない市民が「やきそばG麺」と称して、店をリサーチしたり、「天下分け麺の戦い」と銘打ったイベントを開催し、面白おかしく盛り上げる。自分の役割はやきそばを焼くことでも、食べることでもない。メディアにどう受けるか、どうしたらメディアに取り上げてもらえるのか、その仕掛けづくりにあるという。渡辺さんは「ミッション麺ポッシブル」「三国同麺」などオヤジギャグ炸裂の絶妙なネーミングを次々と考案。そのキャッチーなタイトルにマスコミがこぞって飛びついた。「コピーライターと同じですよ。マスコミ向けにどういう言葉がうけるのか、常に考えています」と話す。そのネタ作りの苦労ぶりはお笑い芸人並だと笑う。市民にとって日常にありふれていた“富士宮やきそば”というものに“B級ご当地グルメ”という付加価値をつけ、世に送り出した。「香川の讃岐うどんも、富士宮やきそばも、それを食べに行くことが一つのレジャーになった。体験型観光のはしりです。2000年(学会発足の年)にまさに観光革命が起こったんですよ」。また一時的なブームに終わらせず、「継続的な話題づくりと情報を発信し続けることが大切だ」とも話す。街おこしに端を発したこの富士宮やきそばブーム。その経済波及効果は、6年間でなんと217億円(富士宮商工会議所調べ)にものぼるという。「富士宮やきそば」を核にした戦略は大成功を収めた。「地域ブランドづくりはセールスプロモーションが大事。富士宮やきそばを成功例として、全国各地に広めたい」と話す。また今後の展望として「人材育成」を掲げているという。「街づくりは人づくりが大事。助成金や研究施設などの場を提供して、富士宮に若い優秀な学生を呼び込み、将来街の財産となる人材を育てていきたい」と話す。数多くのダジャレの裏には、富士宮市街地の活性化という骨太な信念が隠されていた。

取材協力/富士宮やきそば学会


食べられる店・買える店
お店取材してきました!
富士宮グルメが集合! お宮横丁
そのほかの富士宮グルメ

レシピ
1.炒める
炒める油はラード。具と富士宮の特産品でもあるキャベツをタップリ炒め、味のポイント“肉かす”を加える
2.蒸らす
蒸しめんを加えたら水を注いで、蒸気で麺を蒸らす。富士の湧水を使う店が多いとか
3.味をつける
各店ごとに、こだわり・秘伝のオリジナルソースを持つ。数種類のソースをミックスして店の味としているが、辛口ソースが主流
4.仕上げる
かけるのも、"富士宮流"。青海苔、紅ショウガで彩りもよく。からし味噌などのトッピングは店それぞれの味つけで。


ご当地グルメ
静岡おでん 
浜松餃子
袋井宿たまごふわふわ
すその水ギョーザ


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