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| ご利益ありそうな… 静岡県のイセエビ漁獲量は、千葉、三重に続き全国第3位。その85%以上が伊豆で水揚げされるのだから、イセエビが伊豆観光のお目当てになるのも当然だ。味もさることながら、あの迫力ある形、色。食卓を一気に豪華な雰囲気にしてくれる。 「伊勢では、今でも儀式の際に、イセエビを神前にお供えする。そういう文化の発信が伊豆にはないなぁ」と言うのは、『海士の宿 八千代館』のご主人、平山敏郎さん。エビ網漁師であり、様々な角度からイセエビを調査し、まとめている“イセエビ博士”だ。 平山さんによると、平安・鎌倉時代には、イセエビの赤い色やひげをたくわえた風格ある様相から、縁起ものとして祝儀や客膳に用いられたとのこと。江戸時代にも大名たちが、正月の床の間飾りにしたそうだ。 伊豆ではどうか。南伊豆町子浦では、徳川第14代将軍が立ち寄り、食したとされる味噌仕立てのイセエビ入り鍋が、『将軍鍋』という郷土料理として残っている。また、南伊豆町では昔から、毎月旧暦の11〜19日には網を入れない慣わしがあり、エビ網漁の時期、漁師は旧暦での生活となるそうだ。 こんな暮らしや伝統との結びつきも、おいしさの付加価値になるのではないだろうか。 |
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| 地域を味わう 午前5時、南伊豆町下流(したる)の浜に小船のエンジン音が響く。真っ暗な空と海の間を進む船の光は、見て取れるほどの近さで止まった。今の時期、下流のイセエビ漁は、浜からほんの数百メートルのところで行われてい る。前日の午後3時頃、帯状の「刺し網」を、数十メートルの深さの岩場に縦に張り、夜行性のエビが掛かったところを翌朝引き上げる。 5時半をまわると、今度は女性たちがぞくぞくと集まってきた。「エビの時期、浜は社交場なんですよ」と、八千代館の女将、綾子さんが言うように、焚き火を囲み、夜明け前の静けさを破って大声で話す、笑う。 そこへ、最初の船。浜に引き上げられた船を、厚いビニールシートをマントのようにかぶった女性陣が取り囲む。船の上から落ちてくる、丸められた赤い網をマントの背中で受け止め、担いで運ぶ。そこからは、男衆もいっしょに地域総での作業。カギを使って網からエビを素早く、ていねいに外す。海藻などゴミを取りながら網を束 ねて吊す。その間みんな、足も手も、口も忙しく動く、動く。 磯の香りと波の音、夜明けの移ろい、下流の人々の活気を感じながら、3隻の船から降ろされた網すべてが片付くまで浜で過ごす。朝食前の1時間、これもたいそうなご馳走だ。 |
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※掲載内容は取材時点のものでその後変更されている場合もあります。【最終更新】2008年9月 |
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