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伊豆の食紀行

伊豆の魅力といえばやっぱり味覚!
栽培や漁の現場、こだわりの加工法、そして買える・食べられる場所など、
今が旬の伊豆の幸を、様々な角度からご紹介します。

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石廊イカ
石廊イカ
旬の時期漁は6〜8月。
『石廊イカの沖朝漬け』は冷凍で通年販売。といっても年間生産3〜5千本で売り切れゴメン。
朝獲りだから、まずは刺身で。ハッキリした茶褐色の斑点が密集する肌は、ツヤツヤ、ピカピカ。表面は指に吸いつくように柔らかだが、その下の身はキュッと締まって弾力がある。包丁で開くと、クッと身が反る。そして、シャープな形からは予想外の厚み。噛んでみると、歯にねっとりとくっついてきて、噛むほどにじわじわと甘みが広がる。パンと張った新鮮なワタを見て、早速、塩辛づくり。天ぷらもいいなぁ。
漁場と市場の近さで勝負
 「石廊イカ」は、その名のとおり、南伊豆の石廊崎沖で漁獲されるイカのこと。南伊豆漁協に属する子浦、石廊崎、大瀬、下流(したる)、小稲(こいな)の5港に水揚げされるスルメイカだ。石廊崎沖には、エサとなる小魚やエビ類が豊富で、一昨年、昨年のスルメイカ漁獲量は108トン、南伊豆が静岡県一だそうだ。
 南伊豆漁協直売所の屋上から海を眺めていると、1隻の船が近づいてきた。石廊イカの沖漬けを納入にきた「米丸」だ。船長の肥田米蔵さん曰く、「今日はあんまりとれなかったよ」。漁が多ければ、船の上でイカをさばき、洗濯物のように、天日に干しながら戻ってくることもあるという。
 南伊豆のイカは漁場が近く、早朝に船を出し、昼には戻って水揚げできるから、どこよりも新鮮。今日の米丸は、石廊崎沖合10キロ付近での漁。2、3度に冷した海水を船に積んで出港し、獲れたイカはその海水に入れて持ち帰るそうだ。網ですくい出されたイカたちは、まだ、胴体を銀色に光らせ、黒々とした目がこちらを見据えているみたい。持ち上げようとすると、吸盤が手にぴったりと吸いついてくる。
 市場に出たイカのほとんどは、そのまま東京方面へ。イキのいい「石廊イカ」は、築地辺りでも、ちょっと知られた存在らしい。
 
生イカ
町内のイカ釣り船は約50隻

リール
いくつもの針がついた金属製の釣り糸を水深200メートルまで垂らす。今は大きなリールに動力がついた機械で巻き上げまで行う
沖漬け1本
冷凍前の沖漬け。身が飴色に透きとおって見るからにおいしそう。スルメイカは足(だけど、腕と呼ぶそうだ)も太くて食べ応えアリ

沖漬け切り身
冷凍で保存がきくので、夏が終わっても新鮮な石廊イカを堪能できる。冬に半解凍の沖漬けと熱燗というのもよさそう

 商品開発で付加価値づけ
 さて、肥田さんの船から下ろされたイカの沖漬けは、タレに漬けられたまま一昼夜、その後に真空パック、冷凍されて、南伊豆漁協直売所の看板商品『石廊イカの沖朝漬け』として店頭に並ぶ。
 もともと沖漬けは、釣ったばかりの生きたイカを、船上でタレに漬け込む漁師料理のひとつ。5年程前から「石廊イカ」のブランド化に取り組む中、漁協と県水産試験場が共同で、地元の素材と食習慣を生かした新商品開発を行ったそうだ。
 「従来の醤油ベースのタレに、昆布だしや野菜エキスなどをプラスし、旨みを出しました。また、新鮮さを味わえるよう浅漬けにしたので、刺身感覚で食べられます」と、南伊豆漁協販売課長の渡辺節郎さん。なるほど、控えめな味付けで、イカの身の甘さが十分に感じられる。みずみずしく、プリッ、シコッとしっかりした歯応えもある。
 ワタが好きな人は半解凍の状態で輪切りにすると、塩辛っぽいコクのある沖漬けを楽しめる。解凍して切り分け、ワタをつけて食べても、生臭さは全くない。ゲソを網で焼いたり、厚めの輪切りを竜田揚げにするなどのアレンジもいいそうだ。
 素材のよさをあっさり味で生かしたオリジナル商品、正真正銘、南伊豆にしかない逸品だ。

お店紹介

[買う]南伊豆町漁業協同組合直売所(南伊豆町手石 Tel.0558-62-2804)
グルメ情報へ
『石廊イカの沖朝漬け』(1本630円)、生イカをはじめ、イセエビ、サザエ、アワビ、鮮魚やその加工品を直売する。電話、ファックス、ホームページでも購入可能。
http://www.m-izu.net/
直売所で購入した魚を焼いて食べられる「海鮮バーベキュー」も好評。屋外で海を眺めながら、獲れたての魚を味わえる。予約なしでもOKだが、悪天候の場合は休止もあり。基本料金350円(炭・調味料・容器代)に、魚介類の購入代金。海鮮のセットメニューは1,050円〜。直売所は8:30〜16:30、バーベキューは10:00〜15:00、ともに不定休。

南伊豆漁協直売所
[食べる]御食事処 びゃく(南伊豆町妻良 Tel.0558-67-0448)
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地魚のすしが自慢。ここでは、漁協の『石廊イカの沖朝漬け』をつかった「沖漬けのにぎり」(1個210円)が食べ られる。水曜休。11:00〜19:30。
 
聞き込みメモ

イカもいろいろ
スルメイカと同じように今、獲れているのがバショウイカ。これは地元の呼び名で、正式にはアオリイカという。同じツツイカ類なのに、シャープなスルメイカに比べ、ずんぐりしている。写真は同じくらいの大きさだが、スルメイカより大きいそうだ。この他にも、冬のヤリイカなど、南伊豆には通年でいろいろな種類のイカが揚がる。
イカ比較

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