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| ひと粒ずつ丁寧に手摘みする松下さん。約6,500株のハウスが24棟。寝る間もないピーク時には、イチゴを見るのもイヤになるとか |
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| 店頭ではパック単位で販売されることが多いので、すべてのパックに生産者名のシールが貼られる |
|  | | 最高の状態を食卓まで
ハウスの中では、大きく青々とした葉が勢いよく伸びている。紅ほっぺに惚れこみ、数年前から栽培に取り組んでいる松下満雄さんが、葉陰から摘むのは赤ちゃんのこぶし大の実。受け取るとズシリと重量感。水分たっぷりなのがわかる。
「この重量が災いして、最初は売り物としての評価が低かったんだ。パック詰めすると上段の実の重さで下段がつぶれてしまうんでね」と、松下さん。いいものも商品価値をつけるためには、細かい工夫が必要なのだ。
例えば、寒さが浅い12月は、追熟を考え少し若いうちに摘むが、1月以降は赤くなってから摘む。1粒の大きさが23g以上ならばパックの詰め方を、横の並びをずらす“亀の子詰め”にする。そんな出荷の決まりごとが、写真や図入りでJAの集出荷場の壁に貼られており、出荷時に、検査官の厳しいチェックを受ける。
農家の中には、煩わしさを嫌い紅ほっぺへの転換をためらう人もあるようだが、「こんないい品種が売れないはずはない」と、力を注いできた松下さんにとっては、最善の状態で送り出せることが、むしろ喜びといった様子だ。
イチゴの1年は14ヶ月。収穫の最盛期に重なり、来シーズンに向けて苗床の準備が始まる。今後は紅ほっぺにお目にかかる機会もぐっと増えそうだ。 |