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伊豆の食紀行

伊豆の魅力といえばやっぱり味覚!
栽培や漁の現場、こだわりの加工法、そして買える・食べられる場所など、
今が旬の伊豆の幸を、様々な角度からご紹介します。

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サンマずし
サンマずし
旬の時期10月〜4月。中でも10月中旬〜正月頃は、ほどよい脂のりで絶品。
秋の魚の代名詞、サンマ。家では焼くばかりのワンパターンだが、今回は、さすが海辺のまち、という食べ方で堪能した。下田市白浜地区の郷土料理「サンマずし」。ピカピカでスマートな見た目に反して、断面は脂ののった肉厚サンマにギッシリの酢飯。押しが効いたご飯には、サンマの旨みが染み込んでいる。濃いめの味付けがなんだか懐かしい、田舎のもてなし料理の決定版。
神様からの贈りもの
 2300年も前から伊豆を見守る白浜神社の神様。「サンマずし」の起こりは、この神様に由来すると伝えられている。室町時代、続く不漁を憂いて白浜神社の神官が神に祈ると、程なくサンマの大豊漁があり、神官は、サンマをご飯に乗せ人々に振る舞ったという。
 以後、白浜神社の秋の例大祭にサンマの炊き込み飯をご馳走する習慣がはじまり、江戸後期、天城峠越えをする人々の弁当用に、日持ちがするすしに形を変えたそうだ。今でも白浜では、10月28、29、30日の例大祭にはもちろんのこと、お祝いの席には欠かせない料理となっており、各家庭には、大きさの大小はあれど、必ず“サンマずし用の箱”なるものがあるという。
 ところで、すしというと手早くできるイメージだが、作り方を聞いてビックリした。まずは、サンマを背開きにして塩をふり半日。中骨をきれいに取り除き、塩出しをして生酢への漬け込み、甘酢への漬け込みともに6時間ほど。酢飯を作ってサンマをのせ成形、箱に詰めたら重石を乗せて半日から1日押す。これでも、うす味が好まれる近年、昔よりそれぞれの漬け置き時間が短縮された。それでも優に2日、ハレの日のご馳走には、手間も時間もかかっている。
 
白浜神社
白浜神社は縁結び、夫婦円満、子授けの神として知られる。2001年の西城秀樹さんの結婚式は記憶に新しいところ

サンマずし用の箱
サンマずしを押す箱。フタの上に乗せる重石には、すしの本数にあわせて数を加減できる市販の砂糖の袋がいいとのこと
白浜民宿研究会
研究会メンバー。左から金指さん、寺川さん、豊島早苗さん、佐々木若美さん、伊豆白浜観光協会の長谷川広子さん

サンマずし完成!
小さく切り分けず、1本丸かじりする人もいるとか。その豪快さ、漁師まちだねぇ

 伝統を守り、創る
 白浜地区の民宿のお母さんたちが、10年以上前から始めた「白浜民宿研究会」。料理の研究やイベントへの参加、受け入れを開始した修学旅行の対応研修など、月1回の会合をベースに現在15名で活動中だ。
 昨年度、下田市が静岡県の地産地消推進モデル地域となり、研究会もその事業に参加したことから、サンマずしについても見直し、民宿でのもてなし料理としてアピールしていくことになった。
 「由来を説明できるように勉強したり、それぞれが好みで作っていた味を統一しようと研究しました」と、寺川幸子さん。各自が我が家の味を持ち寄って食べ比べながら、みんなが納得する味を追求。ご飯の適量も取り決めた。
 「研究会のサンマずしは、酢も砂糖も塩も少し濃いめ。いろいろ研究したけれど、これが昔ながらの海辺の味なのよ」、生粋の白浜っ子、金指かよ子さんが言う。その味は、今年3月に行われた地産地消イベントの伝統料理・加工品試食アンケートでも、80%以上の人からおいしいとのお墨付きをもらったという。
 夏の海水浴シーズンが終わり、味覚の秋。白浜にも、地元食材とお母さんたちのもてなし心いっぱいの料理をゆっくり味わえる季節がやってきた。
お店紹介

[泊まる][食べる]伊豆白浜観光協会(下田市白浜 Tel.0558-22-5240)
宿泊や食事でサンマずしを食べたい、という場合は、白浜の観光協会で研究会参加の民宿を紹介してもらうといい。サンマずしは仕込みに時間がかかるので予約が必要。余裕をもって連絡しよう。また、アロエの季節にはサンマずしとアロエ料理のセット「アロエ美人」(1800円)も予約で提供する。

[買う]アロエの花まつり(伊豆白浜観光協会 Tel.0558-22-5240)
12月上旬〜翌年1月下旬までのイベント期間中、会場の「白浜・板戸アロエの里」に売店が登場。白浜のお母さんたちのサンマずし(1本400円、安い!)も毎日販売される。その他、地場産品や各種アロエ製品も大人気。アロエの刺身無料試食もある。詳細日程は11月初旬より観光協会へ問合せのこと。


 
聞き込みメモ

注目の新人、アシタバ
サンマずしと並んで祝い事に欠かせない和え物。地元産のゴマをたっぷり使った胡麻和えは、何かといえば登場する定番料理だそうだ。下田の海沿いには質の良いアシタバが自生するため、民宿研究会では特産品料理として、少し苦味のあるアシタバの胡麻和えを売り出し中。さらに、健康に良いアシタバの新たな料理や加工品も研究している。目下の悩みは、アシタバの根っこを食べるイノシシ対策だとか。
アシタバ
※掲載内容は取材時点のものでその後変更されている場合もあります。【最終更新】2008年9月

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