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| ベテランがんばる ようやく夏らしい太陽が顔を出した西伊豆町仁科浜。今年のテングサ漁は、5月下旬に解禁し、数量・質とにも例年並の見込みだそうだ。 昼前の船泊まりでは、朝7時からの漁を終えた磯谷たき子さんが、採りたてのテングサを手早く広げている。ご主人の邦信さんも、いっぱいに膨らんだスカリという巾着型の網を担いで上がってきた。ウェットスーツを脱ぐ間もなく干しの作業、辺りは見る間に赤紫のテングサジュウタンだ。 隣りで競うように干すのは鈴木善久さん、和江さん夫妻。「俺はもう75にもなるけど、まあ、かあさんと二人でできるから、ね」と、善久さん。テングサ漁は夫婦いっしょの人が多い。岩場に潜っての危険な作業を、「あ・うん」の呼吸でこなしていく。 仁科浜漁協のテングサ漁登録者は約120名。5、60代が最も多く、80過ぎの女性もいる。「今日は流れがきつくてね、疲れちゃったから午後はやめよう」。ひと息つくたき子さんのウェットスーツの下は、毛糸のセーターにベストの重ね着。夏場でも冷たい海中が想像される。そして、午後の漁がなくても、一面に干したテングサをひっくり返す作業が待っている。 |
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| 海をお持ち帰り 静岡県はテングサ漁獲量日本一。中でも伊豆、仁科浜が群を抜き、昨年は約45トンを水揚げした。「質も一番だって、県外の仲買さんに言われます。煮溶かしたときのとろみが違うようですよ」(仁科浜漁協総務課の山本伸人さん)ところてんは、テングサを水で煮て溶かし、冷し固めたもの。このとろみがところてんのプリプリ感、腰の強さの決め手となる。 日本一のところてんを味わおうと、自家製のところてんを無料サービスする『海産センター』にお邪魔した。 店頭に用意された棒状のところてんと突き棒で、お客さんが自分たちで作って食べている。みんな、素手でつかんだときのスベスベ、ツルツル感や突き棒の網目からグッと押し出す手応えなど、食べる前からその感触を楽しんでいる様子だ。そして、味は? 「子供の頃、おやつといえばところてん。水に浸かっているヤツを1本、そのまま砂糖をつけてかじったもんだ」。社長の鈴木仁策さんの言葉に、その食べ方でご馳走になる。意外なほど強く、そしてストレートに感じられる磯ものの匂いと味。海を丸かじりするような、何とも贅沢な気分になる。 堂ヶ島の青い海を家でも再現しようと、早速、さらしテングサを買い込んだ。 |
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