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伊豆の食紀行

伊豆の魅力といえばやっぱり味覚!
栽培や漁の現場、こだわりの加工法、そして買える・食べられる場所など、
今が旬の伊豆の幸を、様々な角度からご紹介します。

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ところてん
ところてん
旬の時期年中あるけれど、やっぱり夏。テングサ漁は5月下旬から9月中旬。
最近は、ダイエットや健康に、ノーカロリーで食物繊維たっぷりの食品として注目のところてん。難しいことは抜きにしても、ツルッ、プルッ、ひんやりのノド越しは、夏バテ気味の五感を刺激する。酢醤油に少し辛子をつけて、はたまた黒蜜で。でも、味付けは控えめにしよう。混じりっ気なし、伊豆のテングサ100%のところてんは、磯の香り、夏の海の味がするから。
ベテランがんばる
 ようやく夏らしい太陽が顔を出した西伊豆町仁科浜。今年のテングサ漁は、5月下旬に解禁し、数量・質とにも例年並の見込みだそうだ。
 昼前の船泊まりでは、朝7時からの漁を終えた磯谷たき子さんが、採りたてのテングサを手早く広げている。ご主人の邦信さんも、いっぱいに膨らんだスカリという巾着型の網を担いで上がってきた。ウェットスーツを脱ぐ間もなく干しの作業、辺りは見る間に赤紫のテングサジュウタンだ。
 隣りで競うように干すのは鈴木善久さん、和江さん夫妻。「俺はもう75にもなるけど、まあ、かあさんと二人でできるから、ね」と、善久さん。テングサ漁は夫婦いっしょの人が多い。岩場に潜っての危険な作業を、「あ・うん」の呼吸でこなしていく。
 仁科浜漁協のテングサ漁登録者は約120名。5、60代が最も多く、80過ぎの女性もいる。「今日は流れがきつくてね、疲れちゃったから午後はやめよう」。ひと息つくたき子さんのウェットスーツの下は、毛糸のセーターにベストの重ね着。夏場でも冷たい海中が想像される。そして、午後の漁がなくても、一面に干したテングサをひっくり返す作業が待っている。
 
テングサジュウタン
日が出ているうちに採ってきた100キロ近くをとにかく干す。磯谷さん夫妻の手も足も止まることはない

出荷されるテングサ
漁協に集められた乾燥テングサを25キロの俵にして出荷。長野へ行って寒天になるものが多いそうだ
さらしテングサ
水にさらしては乾燥。その繰り返しでテングサの濃い紫は真っ白に変わる。ところてんは、この“さらしテングサ”で作る

ところてんを食べる3人組
毎年ところてんを楽しみに来るという3人組。「東京で食べたのは味気なくて嫌いだった。ここのは風味がまったく別もの」と、ご満悦

 海をお持ち帰り
 
静岡県はテングサ漁獲量日本一。中でも伊豆、仁科浜が群を抜き、昨年は約45トンを水揚げした。「質も一番だって、県外の仲買さんに言われます。煮溶かしたときのとろみが違うようですよ」(仁科浜漁協総務課の山本伸人さん)ところてんは、テングサを水で煮て溶かし、冷し固めたもの。このとろみがところてんのプリプリ感、腰の強さの決め手となる。
 日本一のところてんを味わおうと、自家製のところてんを無料サービスする『海産センター』にお邪魔した。
 店頭に用意された棒状のところてんと突き棒で、お客さんが自分たちで作って食べている。みんな、素手でつかんだときのスベスベ、ツルツル感や突き棒の網目からグッと押し出す手応えなど、食べる前からその感触を楽しんでいる様子だ。そして、味は?
 「子供の頃、おやつといえばところてん。水に浸かっているヤツを1本、そのまま砂糖をつけてかじったもんだ」。社長の鈴木仁策さんの言葉に、その食べ方でご馳走になる。意外なほど強く、そしてストレートに感じられる磯ものの匂いと味。海を丸かじりするような、何とも贅沢な気分になる。
 堂ヶ島の青い海を家でも再現しようと、早速、さらしテングサを買い込んだ。
お店紹介

[買う] 仁科浜漁協直売所(西伊豆町仁科 Tel.0558-52-0018)
仁科港前にある漁協直営の販売所。仁科浜のさらしテングサも販売している。
不定休、8:00〜17:00(冬季は8:30〜16:30)。

*取材協力店

[買う]海産センター(西伊豆町田子 Tel.0558-53-1881)
ところてんを製造販売しており、1年中、ところてんの無料サービスを行っている。漁業権を持っているので自分で採ったテングサを使用。さらしテングサとしても販売している。不定休、8:00〜17:00(季節により変動あり)。


 
聞き込みメモ

家でも挑戦、ところてん作り
1.大きな鍋に水6リットル、さらしテングサ100g、酢小さじ5杯を入れて火にかける。テングサを溶けやすくする酢は必ず水から。
2.とろ火で1時間ほど煮る。テングサが細かくなり、水にとろみがついてくるまで。吹きこぼれないように注意。
3.ザルでこす。さらに布巾など目の細かい薄布で濾す。
4.バットなど平たい型に流し常温で固める。表面のアクをしっかり取るときれいに出来上がる。
5.固まったら水を張った器に入れて保存。毎日、水を替えれば1週間くらいもつ。
ところてん作り

出来たてのところてん

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