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| 消費者も知りたい、学びたい 干物づくり50年という田藤水産の田代和豊さんに話を聞いて、私たち消費者の認識不足を感じてしまった。 「多くの人がいろいろなことを知らないままに、イメージで買う傾向がある。見た目やブランドに弱い人が多いね」と、田代さん。 例えば、「天日干し」にこだわる人がいるが、お天気により一律の製品に仕上げにくく、強い日差しで身が焼けて変質することもある。衛生面にも気を遣う。しかし、乾燥機は、外気を取り込み冷して除湿し、ふたたび温めて干物にあてるので、年中、秋口のような爽やかな風が送れるのだ。「機械といっても、ようは自然の空気。イメージアップに天日干しに負けないネーミングを考えたいね。“沼津千本浜の風干し”なんて、どう?」。田代さんは笑う。 干物は干すことで程よく酸化し、旨みが出る。しかし最近は、鮮魚に近い色ツヤのものが新鮮だと好まれ、よく干した黄色っぽいものは売れにくいそうだ。酸化防止にビタミンCなどを吹き付けるものもあるとか。 「好みは人それぞれ。どれがいい悪いじゃなくて、いろいろな選択肢があることを知ればいい」と、田代さん。 売り場では知り得ない生産現場の話し、聞く機会がほしいなぁと実感した。 |
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| 頑固さと柔軟さを兼ね備えて しかしながら、食の傾向が昔と変わってきたことも事実だ。硬いものが苦手な消費者の好みに合わせて、干物の水分量は40%程度から70%近くにまであがったという。そして、塩分もかなり控えめになった。 干物の塩分は「塩汁(しょしる)」という漬け汁に浸してつける。沼津の塩汁は22、3度くらい。濃いめの塩で魚の表面をキュッと締め、旨みを閉じ込める。中まで塩気を浸透させないから、身には魚本来の甘みが残るそうだ。田代さんの塩汁は昔から変わらず天然塩を使用。こまめに火を入れながら不純物を取り除き、長年足し増しして使い続けているという。 「親父から言われたことは、『魚に惚れるな、値に惚れろ』。一級品の干物を作ることは勿論のこと、魚本来の値打ちを見極めその特徴を業者の力で生かし、それぞれにおいしい干物に仕上げたい」。田代さんが言うように、沼津の干物の歴史は、時代やマーケットを読み、新しさを取り入れながらも、伝統的な良さを守ってきた加工業者の工夫と努力の足跡だ。 現在、沼津魚仲買商協同組合で扱う干物は、アジ(全体の約70%)だけで年間24,000t。全国シェア40%以上の実績は一朝一夕にはつくれない。 |
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