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伊豆の食紀行

伊豆の魅力といえばやっぱり味覚!
栽培や漁の現場、こだわりの加工法、そして買える・食べられる場所など、
今が旬の伊豆の幸を、様々な角度からご紹介します。

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ニューサマーオレンジ
ニューサマーオレンジ
旬の時期出荷は4月後半から6月上旬まで。GW明けからが本番。
コロンとした形、鮮やかなレモンイエロー。酸味と少し苦味を連想させるピリッとスパイシーなユズの香り。そして、皮の白い部分、これがおいしいのだ。きめが細かくふわっとしていて甘い。適度にすっぱくてジューシーな果肉と一緒に食べれば上品な洋菓子のよう。
名前のとおり、爽やかな初夏の味わいだ。
育ちのいいハツラツお嬢さん
 
東伊豆町白田。海と山が隣り合う伊豆特有の地形を活かし、海を真下に見る急斜面に500本ほどのニューサマーオレンジが植えられている。広々とした畑で穏やかな太陽を浴びる木々は、どれも重そうなほどに実っている。
 「他のミカンと違い、熟すまでに丸1年かかるんだ。冬場に実が凍るとダメになってしまうから、暖かい伊豆ならではの品種だね」と、畑の主、白鳥岳寿さんは言う。柑橘類には、風に当たると実の表面にポツポツと傷が出る潰瘍病が多いのだが、これに強いニューサマーは悩ましい海風にも負けず、スクスク育つ。
 しかし、実が小さいうちは果皮が柔らかく傷がつきやすいため、実のひとつひとつに袋をかける作業が必要だ。10月から12月頃、すべて手作業だから4人でたっぷり1月半。約2haの畑には、袋の花が咲くニューサマーの木が先の先まで続いていて、見ているだけで気が遠くなる。
 「少しの傷やシミも価値を落とすから、手間をかけないとね」。白鳥さんが見せてくれた特撰品は、表面が滑らかで傷もなく、ピンと張ったくすみのない黄色い肌。大切に育てられた箱入り娘は、たいした美人だ。
 
斜面に広がる畑
眼下には海が広がる。こんな場所で暮らし、働いたらストレスなど無縁な気がする。

ひとつひとつに袋をかけ大切に育てる
通常、袋ごと収穫する。手探りで実の大きさを見極めて摘み、後で袋を外しながら選別する。手間は袋をかける時だけではない。
ニューサマーオレンジ
ピカピカの特撰品。伊豆では突然変異でオレンジ色のニューサマーも生まれたが、人気はやはりレモンイエローのものが上。

加工品
JA伊豆太陽のニューサマーオレンジ加工品。ベイステージ下田、伊豆急の駅売店、東伊豆町・河津町・下田市辺りの旅館、土産物屋などでも通年販売。
 伊豆の初夏をアピール
 
ニューサマーオレンジ未体験という人もいるだろう。それもそのはず、JA伊豆太陽東部営農センターの外岡裕さんによれば、静岡県内産の99%が生産される東伊豆町、河津町でも生産農家は約180軒、年間生産量約250トンの多くが伊豆地域内で消費されてしまうとのこと。
 ちなみにニューサマーオレンジは、宮崎県で発見された日向夏(ひゅうがなつ)と同じ品種で、四国の高知県では小夏と呼ばれている。伊豆では産地化を機にニューサマーオレンジという愛称がつけられた。少し早い夏の訪れを感じさせる名前には、明るく元気な伊豆を発信できる特産品としての期待が込められているようだ。
 見た目の美しさに爽やかなユズの香り。皮の白いところを食べる珍しい食べ方も、一度体験すると、他のミカンとはまったく別ものの味わいと食感に驚き、クセになる。
 「5月には伊豆各地の旅館売店や土産物屋、八百屋や果物屋にも並びます。ロードサイドの農家直売所も目を引きますよ」と、土屋さん。1年間にひと月、伊豆に来なければ手に入らないニューサマーオレンジは、この時期、伊豆の旅の目的になり得る魅力を持っている。
お店紹介

[見る・楽しむ]観光農園二ツ堀みかん園(東伊豆町稲取)
伊東市宇佐美や東伊豆町、河津町などにはニューサマーオレンジのもぎ取りができる観光農園がある。またロードサイドに直売所を出している農家もあるのでお見逃しなく。

[買う] JA伊豆太陽 柑橘共選場 (河津町見高2311 Tel.0558-34-0193)
JAの集荷場。店舗にはなっていないが、事務所をのぞいてお願いすれば、出荷されたばかりのニューサマーオレンジを小売してくれる。土曜と第2・4火曜、祭日の前日休(火曜は祭日の関係で変更もある)。8:00〜17:00。

[買う] JA伊豆太陽 農産加工直売所 (河津町川津筏場 Tel.0558-36-8316)
ニューサマーオレンジ加工品は主力商品。ゼリー、ジャム、あめ、ボディーソープ、シャンプー、入浴剤、石鹸など様々なものが並ぶ。スティックタイプのゼリー(8本入630円)は、マーマレードタイプのジャムを使用し、スッキリとした甘さで好評。

[買う] 菓子処 花たちばな (東伊豆町稲取 Tel.0557-95-3590)
グルメ情報へ
ゼリー、ムース、シャーベット、ジャム、ドレッシングなど、ニューサマーオレンジを使ったオリジナル商品が豊富。独自製法ニューサマーあんの饅頭「たちばな」(1ヶ63円)は、生産農家の白鳥さんもお薦め。丸ごとのペーストを使うゼリーと羊羹の中間のような「ニューサマーオレンジのゼリー」(367円)は、女性や旅館の板前さんに人気の注目商品。その他ブルーベリーのゼリーなども人気。年中無休。9:00〜18:00。

[買う・食べる] フランボワーズ (松崎町宮内 Tel.0558-42-1101)
グルメ情報へ
4月20日頃から8月末まではニューサマーオレンジ(日向夏)のゼリーが登場。緑あふれる庭園を眺めながらオリジナルケーキが味わえる。
 
聞き込みメモ

おいしい食べ方のおさらい
お間違いなく!ニューサマーオレンジの皮は、リンゴと同じむき方が基本。黄色い皮の表面だけをクルクルとむいたら、あとは輪切りや櫛切りにして白い皮(正式名はアルベド、東伊豆では甘皮(あまがわ)と呼ばれる)ごと食べよう。直径7cmくらいのMサイズを選べば、実がしまってみずみずしくて、種も少なく食べやすい。

残さず使えるニューサマー

色と香りが特徴的なニューサマーオレンジ。皮ごと使ったマーマレードもおいしいし、ユズなどのように皮を少し刻んで料理の香りづけにも使える。また、クルクルむいた皮をお風呂に入れてニューサマーの湯。爽やかな香りでリラックス、皮の油分も肌のカサカサに効くらしい。
ニューサマーオレンジの皮

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