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静岡食紀行

静岡は海、山、里の幸に恵まれた食材の宝庫。
栽培や漁の現場、こだわりの加工法、そして買える・食べられる場所など、
今が旬の静岡の幸を、様々な角度から紹介します。

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遠州灘天然とらふぐ
遠州灘天然とらふぐ
旬の時期漁期は10〜2月(最盛期は11〜12月)。今シーズンは2月下旬まで食べられる。
とらふぐの漁場としては玄界灘、瀬戸内海が有名だが、乱獲などにより漁獲高が減少。遠州灘は、海流の変化により15年ほど前から漁穫が大幅に増え、今では日本有数の漁場となっている。
水揚げされたとらふぐの大半は、加工処理場を多く持つ下関に輸送されていたが、平成15年10月浜松市舘山寺町にふぐ加工処理場が設置され、地元でも最高級天然とらふぐが味わえるようになった。
遠州灘ふぐ調理用加工協同組合発足
  「遠州灘で捕れる最高級の食材を地元に提供できないものか」。 浜名湖かんざんじ温泉を中心に、「天然とらふぐ」を「うなぎ」に続く地元特産品として育てようという気運が高まり、平成15年10月に「ふぐ加工処理工場」(遠鉄ホテルエンパイア敷地内)が設立。11月には旅館、飲食店など19施設が集まった「遠州灘ふぐ調理用加工協同組合」(理事長・新村祥一)が発足し、「遠州灘天然とらぶぐ」はスタートした。(平成18年12月現在23施設)
  立ち上げに向け、同時にやらなくてはいけなかったのが「天然とらふぐ」の確保だ。割烹旅館「日の出」の社長、新村さんは、舞阪漁港の漁港組合へ赴き、年間70トン水揚げされる「天然とらふぐ」の内一部を遠州灘ふぐ調理用加工協同組合に提供してもらうよう交渉を続け、ついに承諾を得て10月1日のふぐ漁解禁に合わせ工場を始動することができた。
  舞阪漁港へは毎日直接買い付けに出かけ、仕入れた天然とらふぐは工場内の水槽にストックされる。随時ふぐ調理の免許を持つ調理師が、皮はぎや毒のある内臓の除去などの処理を行い、「身欠き※」にしたものは真空パックにしてマイナス3度の保冷庫に保管。加工済みのふぐは下関発のふぐに比べると流通費のカットなどで約3割ほど安いそうだ。
  「地元で味わってもうらうのが前提なので、一般の方への販売はありません。組合はあくまでも鮮度のいいふぐを安く提供する場所。せっかく地元での提供が実現できたんだから、後は漁だけだね。ふぐ漁は年によって漁獲の波があるから、期間中、一定の供給をするために福田港からも天然とらふぐを買い付けをすることにしましたよ」と新村さん。おかげでシーズン中はおいしい天然モノがいただける。
※身欠き‥毒を含む内臓を取り除く加工処理。これによってふぐ調理免許を持たない一般の調理師でも調理ができる。
 
とらふぐ祭イメージ
浜名湖かんざんじ温泉を中心に「遠州灘とらふぐ祭り」を開催(期間は各施設にお問い合わせください)。旅館、料理店でさまざまなプラン、メニューが楽しめる。→開催店一覧

「日の出」社長の新村さん
新村祥一さん。割烹旅館「日の出」社長。浜名湖かんざんじ温泉観光協会宣伝副委員長・旅館組合副組合長。遠州灘ふぐ調理用加工協同組合理事長。「今はオーソドックスな料理で天然とらふぐを味わってもらってますが、今後は浜名湖ならではのふぐ料理も開発していきたいですね」
勉強会の様子。
この日は20名以上が集まり「てっさ」の実習が行われた。岩井さんの見事な包丁遣いに若い調理師たちが見入っていたのが印象的。今後はふぐ料理に限らず、タチウオ、ハモなど旬の魚を使って行われる予定。
 「地元が誇る食文化を後世に残していきたい」
  天然のとらふぐは漆黒の背に、鮮やかな白い腹が特長。甘味があり、しっかりとした歯ごたえは、食べることが認められているふぐ22種類の中でも一番!まさにふぐの王様なのだ。
  ふぐ料理でまず思い浮かべるのが、透き通るようなふぐ刺し「てっさ」。この超薄作りには料理人の技が必要となるため、加盟店の調理師が集まって勉強会が開かれている。「てっさは、身が二等辺三角形になるように薄く切ります。包丁の入れ方、角度も重要ですが、左指の使い方が大切でこれが上手くできないとキレイな薄作りはできませんね」と話してくれたのは勉強会で講師を務めている「日の出」料理長の岩井さん。
  勉強会は調理師の技術向上はもちろん、個々に持つアイデアや知恵を出し合い組合全体で浜名湖ブランドを盛り上げていくという目的もあるようだ。
  地元の期待を集めてスタートした”遠州灘天然とらふぐ”。「地元が誇る食文化を後世に残していきたい」と組合発足に奔走した新村さんの言葉が熱い。地産の見直し、ブランド化‥なにはともあれ、この最高級食材を一度ご賞味あれ。
お店紹介

[食べる・泊まる]
浜名湖かんざんじ温泉を中心に「遠州灘とらふぐ祭り」開催(10月中旬〜2月下旬 ※期間は各施設によって異なるので確認を)
→遠州灘天然とらふぐが食べられる店・宿一覧
※浜名湖ロイヤルホテル、浜名湖かんざんじ荘、出雲殿を除く
お土産
浜名湖土産!天然とらふぐのせんべい
浜名湖の新しい土産として2004年10月、(株)敷島屋(浜松市西区舘山寺町)より天然とらふぐの粉末入りのせんべいが発売され、人気を呼んでいる。この一口サイズの「遠州灘天然とらふぐせんべい」は、程よい塩かげんで軽い口当たり。お酒やビールのつまみとしてもよさそう。2005年10月中旬からは、皮に天然とらふぐの粉末を練りこんだ、「天然とらふぐまんじゅう」(6個入630円)や、「天然とらふぐのひれ」(6枚入1050円)も新たに発売された。舘山寺温泉周辺のホテルや、東名高速道路・浜名湖サービスエリア、浜松駅キヨスク(一部)で販売されている。販売元(株)敷島屋(浜松市西区舘山寺町2792-1 電話053-487-5500)
とらふぐせんべい天然とらふぐの粉末が入った「遠州灘天然とらふぐせんべい」(525円)
とらふぐまんじゅう、ひれ皮に天然とらふぐの粉末を練りこんだ、「天然とらふぐまんじゅう」(6個入630円)や、「天然とらふぐのひれ」(6枚入1050円)も発売された
 
聞き込みメモ

天然とらふぐのひれ酒セット
天然とらふぐのヒレは黒く透き通り、その風味を存分に楽しめるのがひれ酒。寒い冬の夜には体にグッと染みてくるはず。ひれ酒は加盟店の一部で販売している。写真は、遠鉄ホテルエンパイア売店で販売されているセット3000円。
ひれ酒セット
地産のあさつき
ふぐ刺しの薬味として添えられる「あさつき」も地元農家(浜松市深萩町など)と提携し、地産のものとして合わせて提供している。地元の食材を使うことは観光客へのおもてなしのひとつ。
あさつき

取材協力/浜名湖えんため事務局 森下忠康さん

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