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しずおか蔵元ウォッチ
「磯自慢」磯自慢酒造株式会社
(焼津市)
静岡というより日本を代表する人気銘酒のひとつ。年間生産量約1400石(1升瓶15万本)、販売を地元志太地区の特約店、それ以外の県中部・東部・県外で30店弱に限定した小さな蔵だが、飲み手や売り手を魅了し続ける高い酒質と、それを生み出し再現し続ける造り手の意思、その意思を具現化する卓越した設備、どれをとっても一級品の名にふさわしい。蔵は天保元年(1830)創業、明治初年に酒造専業となり現在の当主・寺岡洋司さんで8代目。
磯自慢酒造 写真
 
 
磯自慢の蔵は焼津の小川港に近い鰯ヶ島にある。鰹節や角煮の製造元が軒を連ね、磯の香りがただようのどかな漁師まちだ。ところが蔵の中に入ると別世界。総ステンレス張りで全館低温管理がなされ、壁といい床といい、鏡のようにきれいに磨き上げられた近未来の要塞のよう。ピンと張りつめた空気は、のどかな外の風景とは実に対照的だ。つねに清掃の手を休めない蔵人は、どこか禅寺の修行僧にも見える。現場を指揮する社長の寺岡洋司さんは、蔵人が働きやすいよう1階に大型タンクと搾り機、2階に釜場と麹室と小仕込みタンク、3階には杜氏と蔵人の個室を設置。原料の酒米は最高級といわれる兵庫県特A地区産山田錦を中心に仕入れ、洗米機も掛け水と水切りに抜群の威力を発揮する特別仕様の装置を取り入れた。このように可能な限り製造環境を整え、南部(岩手)から招いた名杜氏・多田信男さんと2人の蔵人、若手社員5人に寺岡さん自身が加わり、9人が団結して酒造りに勤しんでいる。「販売先を限定するのは、売っていただく店主のかたと顔の見えるおつき合いをしたいから」と語る寺岡さん。全国の名だたる酒造家はこういう蔵の姿勢を理想的だと絶賛し、地酒専門店主は高いレベルで安定する磯自慢の酒質に絶大な信頼を置いている。飲み手にはそういう意思が伝染するのかもしれない。

「中取り純米大吟醸35」
720ミリリットル

毎年価格が変わるビンテージチャート
収量を度外視して造られた蔵の最上級酒。 一年ごとのビンテージの個性を大切にし、価格も変動する。1本ずつボトリングナンバーが入ったラベルは和紙の王といわれる出雲雁皮紙を使用。2008年7月洞爺湖で開催されたG8サミットの歓迎晩餐会の乾杯のお酒にも使用された。
中取り純米大吟醸35
「大吟醸」
720ミリリットル 3,633円
1.8リットル 8,190円

エレガントな香味と切れのよい磯自慢らしさが十分に味わえる逸品。
大吟醸
 
 
静岡吟醸の立役者の一人
杜氏の多田信男さん
 
蔵人総動員で取りかかる
豪快かつ繊細な米洗い
 
洗った米は翌朝、
甑(こしき)にセットされる

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※掲載内容は取材時点のものでその後変更されている場合もあります。【最終更新】2008年8月

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