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しずおか蔵元ウォッチ
「初亀」 初亀醸造
(岡部町)
岡部町の旧東海道沿いにある銘醸。前身・足名屋が寛永12年(1635)に現在の静岡市中町付近で造り酒屋を始め、明治初年に分家した橋本富蔵氏が岡部で創業。3代目富蔵氏は岡部町長を務め、地域の発展に尽くした。4代目社長の橋本守氏は酒質の向上に努め、昭和42年には静岡県、名古屋国税局、全国新酒鑑評会ですべて首位賞を獲得。以来、金賞常連蔵として全国に知られるようになる。現在は現・社長橋本謹嗣氏と能登の名杜氏・瀧上秀三氏が二人三脚で、出品酒のみならずレギュラー商品の高品質化に努めている。
平成7年リニューアルした仕込蔵の玄関
 
初亀は地元よりもむしろ首都圏の地酒専門店で評価され、その人気が静岡へ“逆輸入”された典型的な蔵。発売当初は一升瓶で1万円という価格が物珍しさを呼んだ「純米大吟醸三年熟成酒・亀」も、今では地元の飲み手が渇望する幻の名酒になった。とはいえ橋本社長は「地元になくてはならない存在感のある蔵でありたい」との思いから、地元小売店対象の地酒塾を開いたり、高草山山麓で最高級の酒米・山田錦づくりを始めたりと地道な活動を続けている。昭和56年に蔵入りした杜氏の瀧上秀三さんは今期酒造り53年目、杜氏になってからも33年目という超ベテラン。とはいえ「酒造りは毎年毎年が一年生」を口癖に、吟醸造りの時期は空腹の方が頭と感覚がさえるといって夕食も取らずに一心に取り組む。搾りの時期を決断するのに悩みに悩んで、夜中に階段を何度も昇り降りしたり、心を“無”にする為、便所掃除をしたこともあったという。以前は普通酒の麹づくりに機械を使っていたが、あえて手作りに戻し、自身で改良した箱麹で吟醸並に丁寧に造る。そんな真摯な姿勢が出来上がった酒に反映されている。ある酒販店主は「どのクラスの酒も高いレベルで安定しているから、いつでも安心してお客様に勧められる」と評価していた。この蔵を見ていると蔵元と杜氏、蔵元と小売店、その信頼の絆が地酒を育て、飲み手を幸せにしてくれるのだとつくづく思う。

「亀印吟醸」
1.8リットル 2,900円
720ミリリットル 1,450円

原料米/五百万石50%精米、
日本酒度+3、酸度1,2

落ちついた静岡らしい吟醸酒。吟醸としてはうれしいお値段!
「荒ばしり」
1.8リットル 2,100円
720ミリリットル 1,050円

原料米/五百万石60%精米、
日本酒度-1、酸度1.3

もろみの風味を味わえる季節限定の本醸造薄にごりタイプ。
「縁」
1.8リットル 1,785円

ご縁があるようにと毎月5日発売の縁起酒。普通酒ながら五百万石65%精米、手作り麹で旨みを生かした逸品。
 
   
 
質のいい酒を造り続けて地域に貢献しようと努力する橋本守
前社長(右)と現社長橋本謹嗣氏
 
 
この道53年の名杜氏・瀧上秀三氏。自ら選んだいち押しの純米大吟醸「瀧上秀三(720ml 5,000円)」も一度は味わいたい!  
 
機械から手造りへ戻したという普通酒の箱麹づくり  

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