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静岡の地酒が呑める店
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内観
大衆酒場 多可能(たかの) 
(静岡市葵区紺屋町)
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酒も食材も生粋地元主義。駅前で80年間のれんを守り続ける店主一家。
静岡の地酒ファンは県外にも多い。彼らがもし静岡へやってきたら、わざわざ全国チェーンの居酒屋に入ることはないだろう。 ところが今の静岡駅周辺や繁華街にはチェーン居酒屋の看板ばかりが目に付く。そんな危機感を解消すべく、日本酒の味を初めて覚えた頃に通ったこの店ののれんを久しぶりにくぐった。創業80年、店主一家が駅前の一等地で大衆酒場というのれんを守り続ける奇跡の店。最近でこそ遠来客がやってくるものの、80年を支えたのは地元の絆に相違ない。酒は50年以上前から地元静岡の「萩錦」。これからの季節は、萩錦正一合瓶のサイズに合わせた店主自作の燗付け器で、絶妙の温度の燗酒が味わえる。いい食材が途切れないのも地元商店との長年の信頼の絆あってこそ。“地産地消”を声高にせずとも、80年変わらず地道に体現し続ける、そんな努力が醸しだす雰囲気に、遠来の客は魅力を感じるはずだ。こういう<雰囲気>のある店が繁華街で存在感を示すことで、その街の文化レベルが見えてくる。
3代目高野利秋さん(左)と4代目晋さんご主人のこだわり
酒肴地酒
静岡の酒文化の功労者一家!
3代目高野利秋さん(左)と4代目晋さん
“可能性が多い店であれ”との思いで命名された店名。大正〜昭和〜平成とそれぞれの時代に可能性を切り拓きつつ、静岡の街にしっかり根を張ってきた。その歴史が味わいとなって独特の雰囲気を醸しだす中、4代目晋さんは若い世代向けのメニュー開発にも努め、新しいファンを開拓している。
たとえばシラスは「いいシラスが揚がったときだけ出す」という地元のこだわり業者から。豆腐も野菜も肉類も長年信頼関係を築いた地元商店から。居酒屋はあらゆる商店と運命共同体なんだと実感させられる。写真はボリューム感たっぷりのサクラエビ天&すきみ(ともに1人分)。 50年以上前から地元静岡の「萩錦」を使い続け、正一合瓶用のオリジナル燗付け器まで作った。正一合瓶は瓶詰めに手間がかかるので出荷する蔵元は数少ないが、萩錦にとってこの店の存在は力強い。実力杜氏・小田島健次さんの技が冴える純米吟醸もオススメ!

地酒リスト
萩錦(萩錦酒造
※掲載内容は取材時点のものでその後変更されている場合もあります。【最終更新】2008年10月

地酒ライター
Profile
鈴木真弓・コピーライター、しずおか地酒研究会主宰。静岡県の技と味にこだわって取材活動十数年、ご縁の多かった地酒の造り手・売り手・マジメな?呑み手の応援に努めています。「しずおか蔵元ウォッチ」「酒造りの蔵から」、静岡新聞社刊「地酒をもう一杯」もぜひ見てくださいね。

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