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内観
槻乃木(つきのき)
(富士市青島町)
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いい造り手と、いい付き合いをし、初めての客を常連にする店
馴染みの店というのは、店というより「人」に会いに行く、という感覚がする。人との出会いや付き合いを大事にしている店主がいると、最初は緊張するが、馴染めば馴染むほど居心地がよくなる。私にとって、呑む店はコミュニケーションの修業の場みたいなものだ。「槻乃木」は、そんな感覚を思い出させる店。店主の大槻正弘さんはこの地で24年、目立たない看板で、メニューを置かない寿し店を構えている。魚は市場で漁師の顔を見ながら仕入れ、野菜類は若く熱心な業者を半ば“育成”しながら仕入れる。酒は蔵元も常連客という「高砂」。お客さんとは、予算を聞くところからコミュニケーションを始める。一見、寡黙な職人タイプに見えるが、取材におじゃましたときも、実に会話が弾んだ。「メニューはその日の仕入れによって決めますが、お客様からアイディアをもらうことも多いんですよ」と人なつっこい笑顔の大槻さん。いい酒やいい料理は、生産者と料理人の対話の賜物だと思う。その恩恵を予算以上の満足感に変えられるか否かは、われわれ客側の感度にもよる。この店は感度を磨く、いい修業の場になりそうだ。
店主 大槻正弘さん ご主人のこだわり
酒肴 地酒
漁師や蔵元とも
“顔の見えるつきあい”がモットー
店主 大槻正弘さん
地元出身。高校時代、先輩の実家の魚屋でアルバイトをしたのがきっかけで魚料理に目覚め、この道一筋。1982年に開業した。魚選びも筋金入り。「本当はネタケースに魚を並べたくないんだよ、ケースの前後で温度差があるから」というこだわり派。「前もって希望の予算を聞かせてもらうほうが、ベストが尽くせる」とのこと。直前でもいいから電話予約して訪ねてほしい。
魚は駿河湾の地魚を中心に港市場まで直接買い付けに行く。漁師の顔を見ればネタが判るほどの目利き。不漁の日でも養殖モノや冷凍モノには見向きもせず、代わりに鴨や馬などの肉類を使う。写真は日替わりのお通し(焼ウニ、辛子蓮根、タコの柔らか煮、鯵のなめろう)   「生ビールを注ぐ手間があったら料理に集中したい」とのポリシーでビールは瓶のみ。ワインもウイスキーも置いているが、オススメはなんといっても「高砂」。常時6種類そろえる。「地元の蔵元の酒粕を食べ比べたらこの蔵が一番美味しかった」と料理人らしいセレクト

地酒リスト
高砂(富士高砂酒造
※掲載内容は取材時点のものでその後変更されている場合もあります。【最終更新】2006年6月

地酒ライター
Profile
鈴木真弓・コピーライター、しずおか地酒研究会主宰。静岡県の技と味にこだわって取材活動十数年、ご縁の多かった地酒の造り手・売り手・マジメな?呑み手の応援に努めています。「しずおか蔵元ウォッチ」「酒造りの蔵から」、静岡新聞社刊「地酒をもう一杯」もぜひ見てくださいね。

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