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初めての通学電車。
初めての片思い。
初めての告白。
初めての仲間。初めての恋。
すごい!世界ってこんなに熱いものだったんだ。
大人になったら味わえない。
田んぼと山に囲まれた町の
普通の高校生たちのキラキラした青春。


豊島ミホ原作の同名小説の映画化作品。
監督は、本作が、長編映画第1作となる岩田ユキ。
そして主演に映画出演が相次ぐ榮倉奈々と、谷村美月を迎えて、
不安定に揺れ動く青春時代の繊細な感情を映像化。
大人になったら味わえないキラキラしたあの瞬間。
「檸檬のころ」は、誰にでも思い当たるあの頃の感情を甦らせてくれる珠玉の青春映画です。



(C)2007「檸檬のころ」製作委員会
 
 
■ 映画化にあたって―――
Q:今回この「檸檬のころ」を監督・脚本されることになった経緯といいますか、きっかけを教えてください?

監督: 脚本するきっかけは、最初は、あの、プロデューサーが原作本に感銘を受けまして、で、そのプロデューサーとのご縁は、私が前にやっていた、オムニバス映画の配給をお願いしていた会社のプロデューサーが私の作品を観まして、「この本1回読んでみてほしい」と言われまして、で、私も豊島ミホさんの描いている、地味なりの青春っていう、心の中で起きる大きなドラマの部分に惹かれて、この話を受けました。


Q:脚本は他の方が書くのではなくて、岩田さんご自身が書きたいと…


監督:はい、そうですね。ほんとに、人の会話のディティールといおうか、そこがとてもこだわりたい部分だったので、脚本は自分で書きたいと思いました。

Q:今までの作品もそうやってごらっしゃった?

監督:はい。

Q:撮影期間はどれくらいだったのですか?

監督:去年の9月の半ばから、10月の半ばぐらいまでで、ちょうど1ヵ月位です。

Q:映画の準備期間を含めてはどれくらいだったのですか?

本をいただいて、脚本を仕上げるまで、かなり長い時間をいただきまして、そうですね、最初に本をお預かりしたのが、2年前の5月ぐらいなので、脚本にも1年ぐらいはかけさせていただきました。で、それから準備期間が2ヵ月くらいあって、撮影1ヵ月、その仕上げの作業に、残り、2、3ヵ月かけました。





 
 

■長編映画第1作―――
Q:今回、初の長編映画と伺ったのですけれども、それまでは短編の作品をずっとお撮りになってらっしゃったんですか?

監督:そうですね。最長でも、40分ぐらいが今までの中でも長いものだったんですけど、長編は初めてです。

Q:では、その長編映画を撮るということにあたって、ご苦労されたこととか、新鮮だったこととかありましたらお話いただきたいのですけれど…

監督:そうですね。長編も初めてで、原作付きということも初めてだったんですけれども、今回、本をいただいて、原作者の豊島ミホさんの描いている、地味な人なりの青春をいかに可愛く、ドラマティックに描くかってことに私もとても賛成というか、自分に近いものを感じて、ぜひやらしていただこうと思って受けたんですけれども。長編も初めてで、これだけの本を、しかも原作は連作の短編集で、それを1つの話にするということも含めて、最初はやっぱり、1つの話にする…しかも短くするってことがまず課題であり、そして、それの原作でとても優秀に描かれていた、心の声―モノローグの部分をいかにその、モノローグじゃなく、人物の表情とか、こう2人の間に流れる間で表現するかということが、すごく難しかったですね。

Q:原作を映画化という形なんですけれども、原作というのは、本は読者が頭の中でイメージして把握していたりする思うんですけれど、それを映像化するにあたって、何を伝えたかったですか?

監督:一番心がけたこと、作品で一番大事だと思ってるテーマというのは、もがいていてカッコ悪いことや、言いたいことがうまく言えずに、何かたまってしまっている部分、それすらも、あの時代は、やはりきらめいていた、素敵なことなんだということがテーマとして伝えたいなと思っていまして、それに、表現するに当たっては、原作で、心の声やモノローグがすごく共感できる部分が多かったので、それを言葉にしないで、心の声というものを出さないで、どう、表現するか…ということにこだわりました。
すごく嬉しいんだけど、カッコつけている子が、その嬉しさがはみ出してきちゃったり感じだったり、ホントは忘れたくないんだけど、忘れてほしくないけど、「忘れちゃう」ってふざけて言うことで、すごく忘れてほしくないんだって伝えられたり、そういう心の――マンガでいったらふきだしがあって――こっちの心の方を常に役者さんにも意識してもらって、ホントに思ってることを感じながらも、違うことを話しているような、それが私たちの生活している中でなにかリアルな感情に聞こえるじゃないかと思って、そこは意識しました。と、とりとめのないこと言ってまとまらなかったですね、すみません。

Q:あの、ちょっとマニアックな質問ですけど、加代子が入っている吹奏楽部が、演奏するシーンが何度も出てきますが、いつもアニメソングなんですよね?

監督:あ、(笑)そうなんですよ。結果的に。応援歌でアニメソングだったんですけど、文化祭の時にも「もののけ姫」とかやっていて、あの結果的にそうなっちゃいましたって感じですね。

Q:本当は何曲も演奏していて、他の曲を演奏しているシーンとかもあるんですか?

監督:候補はあったんですけど、演奏した曲はあれのみですね。スケール感を出そうとしたら「もののけ姫」になったりとか、応援ソングなのでアニメソングになりました。

Q:あれ、アニメソング…あれまた、アニメソングって感じで…

監督:そうですね(笑)。「ルパン」と「キューティーハニー」と「もののけ姫」ですね。








 
 
■ 懐かしい風景―――
Q:監督は静岡県のご出身だそうですけれども、どちらですか?

監督: 以前榛原郡という町の金谷町出身なんですけれど、今は、島田市ですね。


Q:島田市在住でいらっしゃるんですか?


監督:今は東京に住んでいます。高校生までですね。

Q:高校時代はどちらで過ごされましたか?

監督:私は、高校は今で言う島田なんですけど、幼稚園から高校まで金谷町の中で、金谷中学校、金谷高校と、ずっと町内で過ごしてました。

Q:映画の監督を志されたのはいつくらいですか?

監督:映画というもの、カメラを触り始めたのが、2000年くらい―7年くらい前ですね。それまでは、自分は絵を描くことしか興味がなかったので、それを動かそうと思ってカメラを触り始めたのが、ちょうど7年前くらいです。

Q:イラストレーターとして活動されていた時に、カメラを手にしたということですか…

監督:はい。

Q:今回、ロケの場所は、栃木とか宇都宮とかだったようですけど、あの中でたとえば監督自身が過ごした学生時代とここが似ているよとか、この風景は結構自分の学生時代を投影してるなといういうようなところはありましたか?

監督:そうですね。私も選ぶうえで、どこかこのふるさとというか、自分の住んでいた静岡の中の金谷町だったり、畑の中をポツンと帰っていた帰り道とか、そういうのを投影しながら、ロケ地は選んでいたと思うんですけど、たまらない夕日とか、なんかこう、下校道、一人ぼっちで帰るあの感じとかは…うまく言えないんですけど、それは、どこかで見た風景というのはずっと探しながら撮っていたと思います。

Q:中で出てくる場所で、とても印象に残ったのは駄菓子屋さんというか、ラムネを飲んだあの店はすごくいい味がでてるなーって思ったて観てたんですけど、どういう風に見つけたんですか?

監督:あそこの金子商店という場所は、かなり何軒か見て探しました。いかにもつぶれそうなお店というのがテーマで、やっぱり私が過ごした青春時代にもやっぱり、そういうつぶれそうな―その時はぜんぜんつぶれそうとかは思っていないですけれど―そのお店が全てで、そこで駄菓子を買うことがすごく楽しいことだったりしたんですけど、今見ればボロボロのお店に、やる気のないおばあちゃんとかがいたりして、でもどこで過ごした人も、そういう学校の近くのお店で、自分なりの金子商店があったと思うんですね。その自分が見て感じてきたようなあのボロさとあのやる気のなさっていうのは、すごく意識して出すようにしましたね。

Q:栃木にはフィルムコミッションがありますね?

監督:はい。

Q:今、静岡も県内であちこちフィルムコミッションが多くなってきていて、結構ロケ地としても静岡県内で選ばれているところが多いんですね。で、実際、地元の新聞でもエキストラを募集していたりとか、活発な活動があるんですが、栃木の現地の皆さんたち―フィルムコミッショナーの皆さんたちというのは、映画作りにはどんな風にかかわってくださって、どんな協力をしてくださったのですか?

監督:どんな感じというと、ホントに熱心で、親切になってしまうんですけど、あのロケ地選びから――本当にスタートからかかわっていただいていて、私たちが歩いて探さなければいけない部分を、ずいぶん探していただきました。地元の人しか知らないステキな場所だったり、白田恵と辻本君が登る山からの景色だったり、あそこは最初連れて行っていただいた時にほんと感動して、草ボウボウで、横はハングライダーの滑走の場所だったりするんですけど、ああいう地元の人しかわからないような場所を教えていただいたり、撮影中は、常にサポートしていただいたりしました。

Q:自然のいい感じの場所というのは、脚本どおりの場所を探したんですか?それとも逆に脚本を合わせたのでしょうか?

監督:ほぼ、同時進行という形なんですけど、最初とにかく脚本を書いて、ある程度形になってから、栃木県の方にうかがって、このシーンならこれができるんじゃないかとか、逆にこのシーンはあてはまる場所がないから、もっと内容を変えるべきところがあるんじゃないかとか、季節の問題もいろいろありまして、やっぱり同時進行でしたね。













 
 

■「檸檬のころ」―――
Q:今回の映画は、自分でも観ていて、高校時代を思い出す部分がすごく多くて共感できたんですけど、映画の中で撮影をしていて、印象に残っているシーンはどこですか?

監督:原作を読んでいた時も、あっ、すごく大切にしたいなと思ったシーンなんですけど、文化祭の演奏が終わった後に、加代子が、こう白田にむかって、「あの詩、すごくよかった」っていうところで、あれ、教室の中は狭いですけど、その中で、別々の場所にいる二人――地味な白田さんと、人気者の加代子さんだったりという、教室の中で別々の場所にいるってすごく遠い存在、その当時は遠い存在に感じていたんですけど、そんな二人が、あの曲をとおして一瞬だけ心がガチッてつながる瞬間、その瞬間をすごく描きたいなーと思って、大事に撮ろうと思いました。
Q:この『檸檬のころ』という映画のストーリーで、監督が一番惹かれた部分っていうのはどんなところでしょう?

監督:全体からすると、私が高校時代に感じていたような、学校という、実際面積でいうとすごく狭い空間なんだけれど、あの時期…あの青春時代は、それが世界のすべてのように感じていて、もう、学校でうまくいかなかったら、この世の終わりぐらいにショックを受けていたり、でも、好きな子としゃべれただけでも、天にも昇る気持ちだったり、そういうあの中で起こった小さな出来事を見逃さずに、その時にドキドキした心の動きをしっかり描く――というのが大切にした部分ですね。

Q:すごくゆったりとした感じが、全体流れていまして、岩田さんに実際お会いしたら、ゆったりとした方なので、そういう部分がでたのかなーと思ったりしたのですが、そのへんは意識して作られたのでしょうか?

監督:そうですね〜ドラマティックにしたい文化祭の部分などは、パンパンパンってみせたいと思っていたのですけど、どこか、私たちが普通に過ごしている日常…こうボリボリ掻きながらしゃべっていたりとか、そういう、自分たちもそういうことしてたよなと思えるような時間の流れと、やっぱり会話の間だったり、そういう部分はこだわりました。

Q:登場人物の中で、ご自分に一番似ているなと思うのキャラクターは誰ですか?

監督:原作を読んだ時に、谷村美月さんがやった白田恵(けい)という役が本当に100%ぐらい自分にソックリだなーと思えるくらい共感しまして、このお話を受ける一番の動機にもなったんですけど、「ロックを聴いてることが、最高にカッコいいんだぜ」ってイキがっているカッコ悪さみたいな、その自意識過剰な感じとか、私はすごい共感するというか、それがハタからみたらメチャメチャカッコ悪いってことを気づかずに一生懸命カッコつけている感じや、ロックがカッコいいのに誰も共有する人がいないような、ああいうイライラした感じとか、こう…田舎は、ヘンな人は居場所がない場所だと思うんで、そういう田舎の高校生として私も過ごした時の、なんとも言えない外にカーッと出たいんだけれど、どこにも行き場がなくてノートに書きこむだけが、青春だったり…そういうところが共感しました。

Q:恵さんと岩田さんが似てるってことで、映画の中で、脚色上、物語のオーバーラップしているところは、ギタリストの方とか…そこらへんもご自身の…

監督:そこまでは〜!!もともとキャラクターはとても近いなーと思ったんですけど、私は、辻本君とかの恋愛が無いバージョンの、冴えないままで終わった白田恵ですね…(笑)。







 
 
■キャストについて―――――
Q:キャスティングはフレッシュな方がそろってらしたんですけど、それは監督が選ばれたんですか?

監督:キャスティングに関しては、プロデューサーなりと、スターティングメンバーというか持ち寄りというか、誰がいいのかと話し合いをして、それぞれ協議をしてですね、私も意見を出して決めました。

Q:オーディションとかではなく?

監督:そうですね、メインの5人に関しては、もう、名指しというか、ぜひお願いしたいということで、オーディションではないです。

Q:主題歌を林直次郎さんがやるということは、その時点で決まっていたのでしょうか?

監督:他の選択もあったと思うんですが、最初に林直次郎君があげてきた曲が、「あ、これでいけるんじゃないか」という、とてもいい曲だったので、そのまま、お願いしました。

Q:今、キャスティングの話が出ましたので、お一人ずつの印象について聞きたいのですけれど。まず、佳代子役の榮倉奈々さんは、監督からご覧になってどんな女優さんでしたか?

監督:榮倉さんも、私が初めてお会いするまでの印象は、可愛らしくてキャピっとしているというか、いっぱいハートマークが出ちゃってるような可愛らしいイメージだったんですけど、お会いしたらホントに聡明な頭のいい女の子、加代子さんだなーというイメージでしたね。現場中も榮倉さん、加代子さんを意識してそんなにみんなと一緒に群れないようにしていたりとか、そういう、細やかな役作りができる子だと思います。

Q:谷村美月さんを選んだ理由や、惹かれたところは?

監督:そうですね。最初、谷村さんのいただいた資料としては、いつも何かを抱え、深いものを背負っている役が多かったので、ご本人に会うまでは、まだ白田さんをお願いするかどうかってことでは、未知な部分があったんですけど、本人は愛嬌があって天真爛漫で、なにか嬉しそうに話している姿がとてもきらめいている子で、谷村さんのなにか嬉しいと思った顔を見た時に、見た方も多分嬉しいと思える魅力を持っている人だと思うので、それで、白田さんがホント、いいなと思いました。

Q:では、彼役、佐々木君役の柄本佑(たすく)君についてはどうでしたか?

監督:柄本くんは、多分、天才肌だと私は思うんですけど、あの、やるたびに微妙に演技が違っていたりして、そこは、困る部分でもあり、カメラに写った時にはすごく面白い部分でもあり…。でもやってる演技はすごい細やかで、むしろ撮影が終わってモニターで見た時の方が、あの柄本君の素晴らしさがわかるなーと思って「こんな細かい、いい顔してたんだ〜」とか。私はラストシーンの、最後のお別れの時の顔とかとても好きなんですけども。細かい方です。

Q:石田法嗣(ほうし)さん、西巧役の彼については?

監督:はい。石田君に関しては、西君という役は、いつも何か言いたいことを抱えても、いつも言えずに最後まできてしまう。そして、最後にリップクリームを返せるところまで、いろんなものを抱え続けて、我慢している役なので、その、さっきちょっと言ったような、言ってるセリフとは違う思いの部分が強い役だったと思うので、そういう部分を石田君自身、表情とか、言葉づかいだったりが細やかで、そういう表現をどこまでが意識しているのか天才なのかわからないですけど、でも、表情には感動しました。

Q:静岡県の、今は清水区になっていますけれど、清水出身の平川地一丁目の林直次郎君はどうですか?映画というか、演技は初めてなんですよね?

監督:はい。ほんとに素朴で楽しかった(笑)…って言うのも不思議なんですけど、映画の現場にも慣れていないので、最初にリハーサルをやった時に、皆さん、若くてもプロの役者さんで、いたくショックを受けたらしくて、家に帰って、お姉さんや妹をつかってセリフの練習をしてきたって言っていて…。撮影中も常に、こう、今の演技はオッケーなのか?っていうことが気になっていて、こうカットをかける前にもう、私の方を、こう、バッと見て「どうですか?」って顔をしてたりとか、本当に素朴で一生懸命で、演技というよりは多分本人の良さが、そのまま出てくれればいいなと思ったので、そういうところは面白く、他の子が芸達者なだけに、素朴な良さが出てると思います。

Q:メインキャストで彼を起用したいと思われた理由は?

監督:やはり一番にこう、存在感というかというか、アーティストの人がそもそも持っているような、役者さんではない存在感と、歌って説得力がある歌声を持ってる人、ということで探しましたね。あとは、田舎の軽音部にいてもそんなに浮かないような、あまりチャラチャラしてない男の子がいいと私は常に思っていて、素朴さも持っている、でも芯の強さみたいなのはある子ということで、林君を希望しました。

Q:登場人物で、学校の先生役で浜崎貴司さんがいたんですけど、ストーリーの中でバンドの部分が出てきて、演奏の部分で演出とか指導とかがあったりしたことはなかったですか?


監督:今回は、浜崎さんは演技のみですね。おそらく、心の中ではこの曲こうした方が…と思ってらしたことがあったかもしれないですけど、今回は、先生役に徹していただきました。



 
 







 
 
 
 








■青春時代―――――
Q:私たち大人が観ても楽しめる点とはどんなところだと感じましたか?

監督:やはり、大人が(大人も)楽しめる青春映画を最初から目指していまして、学生たちは、多分自分たちが本当に輝いているという部分は、気がついていないんじゃないかなと、私は思うんですね。
ほんとなんでもなく、たとえば撮影の時も栄倉奈々さんが出てきただけで、もう目を輝かして喜んでる吹奏楽の子とか、「栄倉奈々ちゃんだ〜」と思っていることが、本当にたまらなくて、「ホントはあなたの方が、それがかわいいんだよ〜」とか私は思うんですけど。
そういう自分たちのなんでもない毎日で過ごした会話とか、ひとりぼっちで悩んでいた時間とか、そういうものも輝いているって気がつけるのは、やはり大人になってからだなと私は思うんですね。
こう、みんなで団結して、なにかやり遂げたということは、おそらく現役でもそれが輝いていたってわかると思うんですけど、そういう、もがいて悩んでひとりで何かを決めた瞬間などが、それが輝いていたとわかるのは、大人の人から見た、青春のいいところではないかと思います。

Q:好きなシーンはどこですか?

監督:先ほどの質問の一番描きたかったシーンで、白田と加代子の心がつながる文化祭の後のシーンって言ったんですけど、別にもう1つ、言うとすれば、個人的にすごく好きなのは、あの〜西と加代子が電車の中で再開するシーンで、リップクリームを返すところなんですけど。あそこでは、二人は「もうこれで会えなくなっちゃうね」とか思いながらも、「春から東京だっけ?」とか、そういうなんでもないような会話のようにしながら、心の中で実はお別れを言い合ってる…で、最後に「ありがとう」って言って別れられるっていうのが、なにか語り方として自分がやりたかったこと―思っていることは別にあるんだけど、なんでもないフリをしちゃう青春の1ページっていう―部分ではとても好きなシーンです。

Q:この映画を観ていただきたい層というか、監督が思い描いているイメージとしては、高校生ぐらいの年代なんですか?

監督:最初に思い描いていたのは、やはり私たちぐらいの青春時代を過ぎて、もう、戻らなくなってしまったものを、敢えて離れてからこそ見える高校時代のかわいらしさだったり、そういう大人の人には…大人の人にもですね、ぜひ観ていただきたいですね。
多分高校生以上に青春時代を通り過ぎてしまった人の方が、この子たち―役のかわいさが、ほんとにわかっていただけると思います。ダメな子が一生懸命頑張ってる姿は、多分自分がダメな時には、とてもかわいいとは思えないと思うんですけど、それを過ぎた時間で見れば、あんなに頑張ってた自分を褒めてあげたいとか思ったりしますもの…。

Q:ぞれでは、最後にご覧になる方にメッセージをお願いします。

監督:映画「檸檬のころ」、不器用な青春が、かわいく描けているあの頃を思い出せる映画になっています。シネ・ギャラリーで、4月28日から公開です。ぜひ、観に来てください。

ありがとうございました。

 
 
 

【プロフィール】
岩田ユキ
'72年、静岡県生まれ。高校卒業後、OLとして働いた後、名古屋の専門学校に進学。卒業後、大阪にて文具メーカーのデザイン室勤務を経て、上京。フリーで文具キャラクター(主に学研)をデザインする一方で、イラストレーターとして雑誌「nicola」「KERA」「zipper」他で活躍。'00年「自分の描いたイラストを動かしてみたい」という欲求から、映像製作を開始。イメージフォーラム研究所、エンブゼミナールにて映像・脚本を学ぶ。'04年ぴあフィルムフェスティバル審査員特別賞他、その制作作品のほとんどが数々の賞を受賞。'05年、中島哲也監督(「下妻物語」「嫌われ松子の一生」)プロデュースによる短編オムニバス映画「ヘアスタイル」の一編、「おさげの本棚」で脚本・監督をつとめ、商業映画デビューを果たす。本作は自身初の長編映画となる。

 
 

すべてが、きらめいていた。
誰しもが通り過ぎてきた、甘くて痛いあの時間――


「檸檬のころ」
は4月28日(土)より静岡シネ・ギャラリーで公開です!

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