蔵元ウォッチvol31 「天虹」駿河酒造場 | 静岡新聞SBS

しずおか蔵元ウォッチ
「天虹」駿河酒造場
(静岡市駿河区)
2010年4月、静岡市駿河区に誕生した酒蔵。当主萩原吉宗氏が2004年に掛川市の旧曽我鶴酒造の酒蔵を借り受け設立した「株式会社曽我鶴・萩の蔵」が、静岡市に移転した。自社ブランド『萩の蔵』『天虹』のほか、掛川市の地酒として長年親しまれた『曽我鶴』や、2009年3月に休業した静岡市の地酒『忠正』のブランドも引き継ぎ、地元の愛飲家をホッとさせている。
 
 
 
『萩の蔵』は、静岡市生まれの萩原吉宗さんが、第二の人生を酒造家として生きようと脱サラで酒造りの世界に入り、休業中だった『曽我鶴』の蔵を借りて造ったブランド。『曽我鶴』の酒銘を残してほしいという掛川市民の声に応え、『曽我鶴』『一豊』『掛川城』といった掛川ご当地銘柄をそのまま継承した。
掛川市内で蔵の移転計画が進んでいた矢先の2009年夏、萩原さんが病で倒れ、計画は一時中断するが、2009年春に休業した静岡市の『忠正』の蔵元を譲り受けることになり、生まれ故郷の静岡市で場所も見つかり、2010年春、晴れて新会社「駿河酒造場」を設立した。
既存の建物を改装し、機械の多くは吉屋酒造から運び、従業員数人が吉屋酒造からそのまま異動した。杜氏は掛川時代から萩原さんが指導を受けていた南部杜氏小田島健次さんの弟子・小林一雲さん。同じく掛川時代から一緒に造ってきた蔵人2人に、萩原さんの甥大吾さんが加わり、『曽我鶴』『萩の蔵』『天虹』、そして『忠正』も継承することになった。いきなり多品種ブランドを背負うことになった新会社だが、「脱サラするとき、他の人が真似できないモノづくり職人としての生き方」を貫きたいと願った萩原さんの思いは、消えつつある伝統の酒銘を復活させた。このようなバイタリティーあふれる酒造家が静岡に居ることを、地酒ファンのはしくれとして、心から幸せに思う。

「天虹(てんこう) 純米大吟醸」
1,8リットル  5250円  
720ミリリットル 2940円

原料米/山田錦50%精米
アルコール度数16・5度、
日本酒度+5 酸度1.2

天に通じる龍の道をイメージした酒銘
天虹(てんこう)
 
「萩の蔵 大吟醸」
1,8リットル 6284円
720ミリリットル 3355円

原料米/兵庫県山田錦40%精米
日本酒度+4 酸度1.1

やや辛口、フルーティーな吟醸香となめらかな味わい
萩の蔵 大吟醸
 
「特別本醸造 安倍街道」
1,8リットル  2310円
720ミリリットル 1155円

原料米/吟ぎんが55%精米
日本酒度+5 酸度1.3

静岡市の老舗『忠正』の兄弟ブランドとして静岡市民にお馴染み
特別本醸造 安倍街道
萩原吉宗さん
前職は大手メーカーのコンピューターエンジニアだった萩原さん。亡父覚三さんは、昔、酒造りに携わっていた経歴があり、父が果たせなかった酒造りの夢を、50歳を過ぎて第二の人生で見事に実現した
醸造蔵
機械の多くは吉屋酒造から運んだ
蔵人
『曽我鶴・萩の蔵』の杜氏だった小田島健次さんの弟子・小林一雲さんと蔵人2人に、萩原さんの甥大吾さんが加わり、若いスタッフがはつらつと働く

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※掲載内容は取材時点のものでその後変更されている場合もあります。【最終更新】2010年12月