一緒にNIE

月刊一緒にNIE@しずおか=朝学習で学力効果 記事基に言葉探しや要約-富士宮・西富士中

2018年06月02日(土)付 朝刊


 生徒の思考力や判断力、表現力を総合的に高める-。富士宮市立西富士中は2016年度から、朝の時間帯に新聞を活用した学習に取り組んでいる。NIE実践指定校としては2年目。「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)では、学力効果も出てきている。

 新聞を取り入れた学習を行う「新聞の日」は、毎週金曜日の午前8時からの10分間。同校NIE担当の大口拓真教諭(25)が選んだ記事を基にワークシートを作成し、それを全校生徒119人が読み、設問に答える。題材はスマートフォン、選挙、東日本大震災などさまざま。大口教諭は「その時期に合った、生徒に考えさせたい記事を取り上げている」と語る。
 5月25日の新聞の日。生徒たちは各教室で、ワークシートに真剣な表情で向かった。この日の題材は、大学生の半数以上が「読書時間ゼロ」の調査を踏まえた教育関連のコラム。設問は、▽見出しの空欄に当てはまる言葉を文中から探す▽ある言葉の説明をヒントに、文中から該当する言葉を探す▽記事の内容の要約▽考えたことや感じたことをまとめる-。重要なポイントにはマーカーで色付け。穴埋め問題はその場で答え合わせをし、記述の部分は回収して採点する。
 大口教諭によると、取り組みを始めた当初よりも生徒が答えや文章を早く書けるようになり、ポイントもつかめるようになってくるなど成果が出てきたという。全国学力テストでは、かつての3年生よりも無回答率が改善。記述式問題でも正答率が大幅に向上した。
 2年の渡辺吾留君(13)は「面白い記事に触れることができて楽しい」、3年の白川深愛さん(14)は「家でも新聞を手に取って読むようになった」と話す。今後は各教科の授業にも積極的に新聞を取り入れる方針で、その活用策を模索する。

 

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真剣な表情で設問に取り組む生徒たち=富士宮市立西富士中

 

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アドバイスを送る大口拓真教諭(左)

 

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 ■紙面授業-家庭 一針一針の温もり 静岡女子高 今戸伴子先生

 今年1月8日(成人の日)に突然休業した「はれのひ株式会社」により、晴れ着が着られなくなった新成人が相次いだ事件は衝撃的で、新聞紙面でも大きく報じられました。
 洋服文化がヨーロッパから入ってきても、和服文化は大事に受け継がれています。6月には「虫干し」「衣替え」という着物を大切に着る日本ならではの季節の言葉を耳にします。2020年東京五輪・パラリンピックのエンブレムやマスコットキャラクターに使用されている市松模様も、歌舞伎役者が袴に用い広く知られるようになり、今でも伝統模様として使われています。
 私の勤めている高校は、裁縫女学校から始まり、今年創立100周年を迎えました。現在も和裁の授業は手縫いで行われ、生徒が日々技術を磨いています。思うように針を動かすことができないで入学した生徒も、作品を仕上げていくごとに少しずつ製作が楽しくなっていきます。
 作品製作の一つでは、新生児をくるむ産着をまっさらなさらしから製作します。母となる日を想像しながら、クラスメートとともに一針一針刺しゅうをして仕上げます。生徒の表情には優しさや温[ぬく]もりを持った女性ならではの母性を感じることができます。どんな子を産み、この産着を着せて育てるのだろうと、想像しながら取り組む時間は、とても心地よい幸せな時間となっています。
 NHKの朝のドラマ「べっぴんさん」でも、主人公のすみれがウエディングドレスから産着を作り、その後、すみれの孫に受け継がれていく場面が温かく表現されていました。
 物作りには明るい未来を想像し、人に希望を抱かせる力があります。若い人々にも節目に着物を着ることで、日本の文化を大切に受け継いでほしいと願っています。

 県内の中学・高校の先生が、時事のニュースや話題を切り口にした授業を紙面で展開します。

 

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 ■NIEアドバイザーのワンポイント講座(15) 図表から情報読み解く

 大学入試センター試験に替わり、現在の高校1年生が受験する2021年に「大学入学共通テスト」が始まる。昨年12月に共通テストの試行調査の問題が公表され、知識の活用力を問う設問が多いことが話題となった。
 問題文が長く、これまで以上に読解力が必要となる。複数の図・グラフ・表から情報を読み解くことも求められる。さらに、抽出した複数の情報の関係性や傾向を見いだし、構造化して、新しい考えをまとめる思考・判断・表現の能力、考える力が求められる。
 新聞には、図表を用いている記事がしばしば掲載される。こうした記事で、生徒たちの思考力のトレーニングをすることをお勧めしたい。
 複数の図・表を示した新聞記事を探す。その記事の文章のうち、図表を読み取り分析している部分を隠して(消して)おき、生徒各自にあてはまる文章を考えさせて書かせてみよう。その後、新聞記事の本文を紹介する。
 教科や特別活動などの目的にかなう「使える記事」が掲載されたとき、見逃さないよう、毎日の新聞チェックも怠りなく。
 (清水西高・吉川契子)