「幻触」展、鈴木健司さんの〝新作〟
静岡県立美術館で開催中の企画展「グループ『幻触』と石子順造」について。第2回です。(橋)
第5章の部屋には「新作」が置かれています。「幻触」初期メンバーの鈴木健司さん、丹羽勝次さんの作品です。
鈴木さんの作品「BASE」はモルタルのタイルとウレタンフォームでできた、「観客参加型」の作品。タイル張りの小道を行くように、作品の上を歩いてください。
もともとは1969年、静岡県民会館で行われた「今日の静岡展」に出品されたもので、今回再制作されました。同展では大賞に選ばれていて、石子さんはリーフレットにこんな批評を残しています。
ぼくらは、彼の<作品>の上を、歩くことができる。しかし歩いた後、ふとふり返ると<作品>は<作品>のまま、またもとの無表情さに立ち還っている。ぼくらはそこで、ぼくらをつつみとってある。この存在・世界の、あの在るがままに在る構造を、かいま開示されるのだ。
石子さんの言葉を頭に置いて、その場で作品に触れてみる。何となくぜいたくな時間のような気がします。
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.at-s.com/mt1/mt-tb.cgi/48012